

The wife
映画の最後のあたりの会話。
Why did you marry me? I don’t know ….
意識してはいなかったはず、お互い、お互いを使った、自分自身のNeedsを満たすために、自分の向かい合えない闇を相手が生きてくれた。
真の自分は子供に対しても社会に対しても見せない。
成功した作家と従順な妻を演じる二人。
卓越した才能を発揮する女性とベビーシッターと浮気をする男性。
真の自分を表に出すと自分は認められない、と信じる女性。
自分の無能を明かすと、名声、妻、全てを失う、と信じている男性。
社会が求める、女性像、男性像を無意識に生きる夫婦。
夫婦で常識や社会に抗う事は考えられなかった。
お互いに気持ちを伝え合ったら守ってきたものが崩壊するのを知っているから
そして、その痛みが恐ろしすぎるから
自分の気持ちや思いを抑圧し、その感情は二人の間で共有されない。
その間、無意識にはずっと痛みを感じ続け、
二人のみの関係ではなく、その周りの人たちとの関係にも影響を与え続け、
傷口は大きくなっていっているのだが、、、
唯一、二人の娘にまつわることは喜怒哀楽を共有しているが、
息子に対する関わりは複雑で
まるで両親の闇を息子が背負って生きているかのよう。
役者さんたちの表現も素晴らしかったです。