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親バカが子を育てる

ある日、保育園に迎えにいったら、先生達に、
「凄いですよ!兄弟でダブル優勝!」
「え?何が。」
「今日は、おすもう大会だったんですよ。
上のお兄ちゃんは凄い接戦の末、優勝。みごたえありましたよー。下のお兄ちゃんは、早生まれなのに、優勝しちゃっいました。」
廊下の壁をみると、結構立派なトーナメント表が張り出してある。そういえば、昨夜子ども達も「明日は相撲大会!」と張り切っていっけ。

あれ、どうして私、こんなに誇らしい気持ちになってるんだろう。
他の人がきいたら、どうでもいいような、些細なこと。

ああ、これが親バカといい、これが親の子に対する愛情なんだ、こういう絶対値的な愛情。
ー他人にとってはどうでもよかったり、他と比べたら対したことがないことでも、その子が頑張った、その子が喜んでいる、という事実が凄く大事に感じる。
そんな親ばかな心理をはじめて「自覚しながら」感じた。

客観的にみれば、相撲大会に優勝することが、他の子どもたちより強い、という訳でないし、強いのがいい訳でもない。もし相撲大会ビリだったとしても、それはそれでよく頑張ったね!そっか、くやしかったかー。分かるよその気持ち、って会話するのだと思う。 でも、ちいさな優勝をこんなに誇りに思ってしまう親の心理。そんな説明がつかない理屈でない気持ち。

ボクのお母さん、ボクのこと誇りに思ってくれてる、ボクのことちゃんと見てくれている、という喜びを日々受け止めていく。「自分は大丈夫」「自分は頑張ったんだ」という気持ちを、「親に」共感、反復・肯定してもらうことで、自分が行ったこと、感じていることをもう一度確認し、内省し、自尊心をself-esteem, self-confidence を固めていく。

「一般的にみて」出来がよくても、悪くても、それとは関係なく、ただその笑顔が、ただその泣き顔がいとおしく子どもを愛してしまう親の心理って、ほんとよくできてる。

でも、そんな感情反応をしない親をもつ子どもがいるのも事実。
相撲大会で優勝? だから? あっそうなんだ、よかったね。たった10人でやったんでしょ。たまたまじゃない?外に出たら、もっと強い子いっぱいいるんだぜ、そんな事で喜んでんの?甘いね。

勝った!という喜びも、頑張った!という事実も認めて貰えないどころか、過少評価されてる。
いくら、先生や友達に認められても、親からの評価の意味合いや重みは異なる。

万事子どもに対して親がこんな感情反応をしていたら、子どもの伸びるべき自尊心は常に摘み取られ、頑張る意欲もそがれてしまい、結果、何をやっていても自分に自信が持てない人になってしまいがちだろう、と思う。

そうして、そんな風に育った親は、自分の子どもにも同じことをやってしまいがち。
少なくとも、その負のスパイラルを起こしている親自身が自分の心理構造に気づかないと。
気づいてもなお、変わりたいと思って自分で努力してもなお変われない場合も多い。
だからこそ、私達のような専門家が・職業があるのだと思う。
by totoatsuko | 2009-05-27 10:15 | Comments(0)
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