リストカット
初めて手に取ったのだが、
こころの健康講座第十回 リストカット(手首自傷)症候群
とある。
一部引用すると
リストカットは10代ー20代の女性を中心にひそかに蔓延している。
リストカットとは
ナイフや剃刀なので手首(右利きの場合は左手首が多い)や、腕、太ももなどを繰り返し傷つける行為をさします。手首を切った場合「リスカ」、腕なら「アムカ」、太ももは「モモカ」などと呼ばれています。
何故自らを傷つけるか
憂鬱な気分・不安から逃れる、怒りの発散、自分への罰、現実感を得るため、心配してくれる人がいることの確認などのために傷つけることは多く、切った瞬間、辛さや不安から開放された気がします。しかし、しばらくすると切ったことへの後悔や罪悪感が生まれ、再び苦しむことになります。この悪循環がやめられないのです。
リストカットへの対応
リストカットのみに注目し、責めたり、やめさせようとせず、そのような行為をとらざるおえなかった本人の心理を理解しようとする姿勢が大切です。ただし、世話を焼きすぎも良くありません。後始末などは本人にも手伝わせましょう。「またか」「どうせ演技だろう」などといった、虫をする対応は症状をエスカレートさせることになるので注意してください。リストカットに気づかれたときは早めに精神科等の専門医療機関に相談されるのがよいでしょう。
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リストカットが何かを知らない人に知ってもらうには分かりやすく、短くよくまとめられたコラムだと思う。でも、当事者や、その家族がこれを読んでも、何の助けにもならないんじゃないか、と思った。特に対応策のところ。
特に10-20代のリストカットの場合、家族との関係、育った環境に起因する凝り固まった心理的なわだかまりがその行動を引き起こしている場合がおおい。とてつもない確執を持っている母親にいきなり優しくされたり、自傷行為の後片付けを手伝って、と言われて、その関係が改善されたり、リストカットを控えよう、という気にはなるはずがない。精神科で精神安定剤をもらったり、表面的に話を聞いてもらったところで、再発防止になるとは思えない。
心の深い所にある本人も気づいていないような痛み・傷を自分で理解し癒していくプロセスを専門家のサポートによって行なわない限り、リストカットする人たちの心の痛みは決して癒されることはない、と思った。