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陪審員制度

2009年の陪審員制度に向けて、時々宣伝を目にする。
陪審員が陪審経験によって受ける心の傷をフォローする制度はどうなっているのか、ふと気になって調べてみたが、今のところ日本弁護士連合会、にも裁判所のHPにも、それについての記述は見当たらない。

実は、日本でも戦前、陪審員制度が取り入れられていた時期があり、昭和3年から昭和18年まで、全部で484件の陪審裁判が行われている。

当時の陪審員は、一定額以上の税金をおさめる30歳以上の男性から選ばれた12人で構成されていたが、裁判官は陪審員の出した結論に拘束されることはなく、昭和4年には143件の陪審裁判が行われたが、以後は徐々に減少し、昭和13年以降の5年間は、年に4件、あるいは1件しか行われず、昭和18年4月に陪審法は効力が停止されている。

今回の再試行がどういう道をたどるのか興味深いが、
そもそも、どうしてこの制度を、今、生き返らせねば「ならない」と考えるに至ったのか伝わってこないし、心のサポート部隊が存在しないことに大きな不安を心の専門家として覚える。

グロテスクな証拠や、聞くにも痛ましいストーリー、判決(有罪・無罪)に自分が関わった事により人間の人生を大きく左右した、という重圧。けっしてクラスルームでのディスカッションでは済まされない。陪審員を経験したことによる心の負担は、一人で抱え込むことが出来たり(守秘義務のため他人には事件の詳細を話してはいけない)、決して見過ごされるものばかりではないはずだ。

そもそも、教室で、自分の教師(という権威的立場の人)と他の生徒と「対等」にディスカッションする、という体験を教育を受けたことがない人間が、裁判官と対等に、本当に心から思っている自分の考えをいう事が出来るとはなかなか思えない。どんなに裁判官がopen mindな態度をとってくれても、自分が勝手に権威に感じる脅威は、消すことは出来ない。

これから始めようとしている重大な制度でも「心」のケア「人間間の心のグループダイナミックス」に全く焦点が置かれていないことに、日本の行政レベルで働いている人の「心のケア」に対する認識の低さを感じてならない。そういう人たちの間でも、鬱になる人は沢山いて、問題意識をもつ機会は沢山あるはずなのに・・・他人事、ですましているのだろうか。
by totoatsuko | 2008-08-19 14:17 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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