GIMと雅楽 II
GIM(音楽心理療法のテクニック・スタイルの一つ)で使われる音楽は主にクラシカルミュージック -俗に言うクラッシックである。
これまでGIMセラピストの間で様々な音楽
-Jazz, pops, 中国のオペラ など
の可能性を試してきたが、アーキティピカルな音楽でクライアントの心理プロセスを促す物はクラッシックと分類されるものの中に最も多く存在している、という結論が今のところ出ている。
GIMによるイメージは、ある特定のイメージを見るための誘導が目的ではないから、directiveだったり、ただただ反復だったり、あるいは揺れすぎる曲は合わない。
日本に帰国して日本人相手にGIMセッションをやるようになって、
日本人が生み出すイメージにより多く触れるようになって、
日本の神話ーアーキタイプの源や民族学みたいなのに興味を持ち始めたところ、
陰陽学と雅楽、という繋がりに出会い、
そうだ!雅楽はGIMに使えないだろうか、と思い立った。
雅楽のサウンドは、アーキティピカルな要素を持っていると感じるし。
結論から言うと、まだその答えは出ていない。
そうとう勉強しないと出そうにない。
雅楽にはいくつかの拍子の類型(それがどんなものかまだ私は知らない)があるのだが、曲によってメロディーは違うが、拍子の型に当てはめて演奏されるのが、素人にはどの曲も同じように聞こえる原因となっているらしい。
面白いのは、雅楽においては、一曲一曲がドラマティックに他の曲と差別化できる「個性」を持つのが大事なのではなくて、より大きな類型に当てはまることを優先させている、と言うのだ。
また、季節によって、曲を移調して演奏する・他の西洋音楽のようにこの曲は何調で演奏しなければならない、というのがない -環境に合わせて自分の色を変えるのが前提。
凄く日本人的ではないか!
日本人に内在する普遍的な要素は、雅楽から学べる物がとても多いかもしれない。
そう気付くと、とてもexcitingな気持ちになった。
なにかまとまった理論を構築するには数年以上を要するような大きなプロジェクトだけど。
by totoatsuko
| 2008-04-15 22:00
|
Comments(1)

雅楽を音楽療法にという発想、とても興味深いです!
このエントリーを読んでいて、「能」の世界を思い出しました。詳しいわけではないのですが、能の世界も同じような日本人的印象を持つなぁとふと感じたのでこの感覚を足跡に残しておきたいと思います。
(私のここでのイメージだと、氷山があってそれが人だとして、水面下のすべてが混ざり合い、自然とともにある生、そして、「全体」が大切にされ他者との境界があいまいな世界が日本の重視するところ、それに対して、水面上の氷山がはっきりとなりの氷山と別れて見えているところが、個、言葉、客観などの「切り離されたもの」を大切にする西洋文化のイメージなんですが。)
このエントリーを読んでいて、「能」の世界を思い出しました。詳しいわけではないのですが、能の世界も同じような日本人的印象を持つなぁとふと感じたのでこの感覚を足跡に残しておきたいと思います。
(私のここでのイメージだと、氷山があってそれが人だとして、水面下のすべてが混ざり合い、自然とともにある生、そして、「全体」が大切にされ他者との境界があいまいな世界が日本の重視するところ、それに対して、水面上の氷山がはっきりとなりの氷山と別れて見えているところが、個、言葉、客観などの「切り離されたもの」を大切にする西洋文化のイメージなんですが。)
0