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ヒーローになりたかったII

こちらが、子供の動作をみて分析したり、行動や思考を誘導したりすのではなく、
ただただ子供のありのままの姿を受け入れ、子供の意欲の芽を大事に汲み取り、子供がそれを自分で伸ばす環境を整え、必要なだ相棒となってセッションの時間を過ごす。

セッションという時間と空間以外は制限のない環境で、
子供は最初は不安に思いながら、でも少しづつ色んな可能性を試す。

例えば、セラピストに自分の母親や父親を投影・プロジェクションしていたら、子供は怖くて木琴を好きなようにガンガン叩く、ってことが出来ない。
さいしょは叩くのすら躊躇うけど、木琴の誘惑に負けて、
セラピストの顔をちらっと見ながらポンッ、っと叩く。セラピストは怒らない。

おかしいな、お母さんや周りの大人の場合、ここら辺で眉がぴくっと動くのに。
よし、もう一回叩いてみよう、もうちょっと大きな音で。ポポーン。
セラピストは身を乗り出してきた、叱ろうとする、というよりは、好奇心の目を輝かせて。
ボクの音に興味あるのかな?

ポン。セラピストがボクが音を出した同じ瞬間音を出す。
あれ?大人って、ボクの出した音をもっとステキに聞こえるような(かき消すのではなく)
音を出して(関わって)くれることってあったっけ?
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そんな感じで、この子供の世界に対する思い込みを遊びの中でいっこづつ確かめる・殻や膜を破っていく作業。日常に帰った子供は、セッションルームでやったのと同じような事(自分が思うことを素直に行動に移してみる、話してみる)をやってみて、セラピストと違う対応をする大人を今までと違う視点で見る。

今までは、大人は絶対だった。音を出す自分が間違っていて、それを咎めるやくが大人だった。
大人に対してびくびくしてなくちゃいけなかった。
でも、子供はふと立ち止まる、どうしてこの大人はボクを叱るんだろう?
セラピストと何が違うんだろう?
自分はいつもいつも間違っている訳ではない、と心から思えるようになって初めて大人に尋ねることが出来る「どうして怒ってるの?」「何が間違っているの?」
そう問われても、頭ごなしに怒る態度を変えない、子供の変化を汲み取れない大人はたくさんいるだろう。でも、そうでない人もいる。子供の質問にはっと我に帰る。何でこんなに怒ってるんだろう?自分がイライラしてて、子供を利用してそのはけ口にしてるだけじゃないかって・
あるいは、それほどまでに「禁止」しないといけない行動なのか、と。

ヒーローになりたかった、という彼。
それは、ヒーローが繰り出すスクリーン上の世界とヒーロー像にあこがれるだけで、
等身大のヒーローの喜びと悲しみを味わったことがないから、
無茶な手段を選んででも「あこがれの」「彼が理想とする」ヒーローを演じたかったのかも。

本当のヒーローは一夜にして生まれないのだが。

なんでもそうだけど、
隣の芝は青く見える、
傍からみたらすっごくよくみえる物が、
傍観者と当事者が同じように感じる物とは限らない。

タイヤを直してあげた後、女性を食事に誘ったり、体を要求するあたり、ヒーローの本質は全く分かっていない。だけど、いままで自分の気持ちを相手に伝えるとか、自分の欲求を人との関わりの中で現実化していく練習をやったことがなかったら、しょうがない。

言い換えれば、彼は「ヒーローになりたかった」というのは、
自分を見てもらいたかった・評価してもらいたかった・人生を世界を軽々と自分の思い通りに動かしてみたかった、という事なのかもしれない。
by totoatsuko | 2008-04-15 11:45 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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