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プロフェッショナルであろ生身の人間でありII

プロフェッショナルであろ生身の人間でありII_d0065558_1312374.jpg患者さんの死後・退院後の家族のフォローついて。

これは結構難しい。
ひとつには、先の投稿にも書いたけど、日本の医療制度?体制では業務外と認識されているから。プロフェッショナルとしての関わりは、患者さんが病院から離れた時点でおわる。現時点で、病院から離れている人にコンタクトをとるのは、規定されている役割を超えることになるのでパーソナルー個人的な要素が入っている感が否めない。

連絡をとりたい、と思うのは「患者の状況を無視した」医療者がわの「心のニーズ」である場合もある。

医療が患者本人だけでなく、患者にとって大事な存在である家族のケアも重視するなら、何か新しいケアプログラムを考えていく必要があると思う。

ではどんなプログラムが提案できるのだろう?

患者さんが亡くなった後もスタッフがその家族と連絡をとるつもりなら、
患者さんが入院中の時に「患者を介して」の関係だけではなく、
医療者が家族と直接関係を築いておく必要がある。

わたし達は、患者さんだけでなくあなたの事も気遣っていますよ。
あなたのこともとても大事な存在ですよ。
と伝えることで、家族がこの医療チームには自分のニーズも訴えてもいいのだ、自分のケアもやってくれる人たちなのだ、あるいは自分のケアも必要なのだ、と初めて認識できる。仮に医療スタッフが家族を気遣って、家族のケアを申し出た時拒否反応を起こされないですむ。

現状は、患者の医療チームが自分のケアもしてくれる対象とは全く見なしていない。
当たり前か、誰もオフィシャルには家族のケア・サポートをプロフェッショナル行なってきた実績はないから。

ハーバードの病院・ホスピス部門に属していた時、グリーフケアの目的で「家族を亡くした人の会」というのをホスピスが主催していたけれど、あまり人数は集まらなかった。

何故か?
医療スタッフが家族のケアもするという事を認識して貰えていなかった、という要素があるのに加えて以下の点が考えられる。

1.患者の死後、看病に通った病院の建物に入ることも、病院の名前を聞くことも避けたい、(その病院がどんなにいいサービスを提供してくれていたとしても)と思う心理
2.家族が病院に自分たちの心のケアを期待していない・求めていない
3.同じ「遺族」であっても、知らない人相手に自分のグリーフ(大事な人を失った後の喪失感・悲しみや怒り)を行なうのに抵抗をもつ。
4.まだそういう場で自分の気持ちや患者との思い出を話す「時」が来ていない

看取りの医療分野はまだまだ成長中。
グリーフカウンセラーという資格は日本では存在しないし、
グリーフケアに明るい医師も看護士も少ない
医療スタッフ自身のグリーフケアのニーズを意識している当事者達はほとんどいない。

でも、それを真剣に考えていかなくてはならない、と考え始めている医療界の人が日本でも増えて来ているのは、プロフェッショナルにとっても、サービスを受ける患者側にとってもいい兆しだと思います。
by totoatsuko | 2008-04-03 02:05 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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