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家庭内の意見の相違 III

ちなみに私の両親は当時、幼い私からみて全く考え方の違う人たちだった。

例えば、毎日365日・遠足でどんなに疲れて帰ってきた日でも、母が横についてピアノの練習を最低2時間小学校の頃はやっていた。高校くらいになると、6時間くらいは弾いていた。

私に面と向かっては言わなかったけど、父はそういう行為が「気ちがいだ」と誰かに言っていたらしく、周り巡ってわたしの耳に入ってくる。父は「音楽バカ」になる、と母のやり方を理解しようとしなかったけど、私の前でそれについて激しい言い合いをすることもなかった。

あ、一度クラッシックのコンサートに時々わたし達が行くのを、
ある日父が「そういう遊びをするより、もっと時間とお金の使い方あるだろう」と言ったら
「これは遊びではありません。音楽の勉強の一環です」と母が言って、沈黙。
それ以上の会話が起こらなかったけど、両親がこの点についてお互いの考えに不満、あるいは合意がなされていないのを感じるには、子供には十分なやりとり・空気だった。

お互いの教育・育児に対しての哲学を伝え合うこともなく、なんとなく正面衝突を避けながら、父親役や母親役を自分たちなりにやっていたんだろうな、という印象(ちゃんと確かめていないので、真実は分かりませんが)。

私はというと、毎日ピアノをどれくらいの時間練習することが「普通」なのか、という発想すらなかったし、自分の生活スタイルが人と比べてどうなのか?と考えたことが(たぶん)中学くらいまでなかったから、父親が家庭の中で蚊帳の外っぽい存在だ、というのも、肌で感じていたけれど、「蚊帳の外」という言葉を当てはめるほど、頭や理屈で家族や両親の関係のダイナミックスを理解してはいなかった。

(そして、何で自分はピアノを弾きづつけるのかも、ある時点まで考えたことがなかった)

勿論、そういう家族のダイナミックスが自分の心理にどういう影響を及ぼし続けていたか、なんて将来自分がサイコセラピーに行くまで気づかなかった。

こう書いてみると、本当に親の影響って凄いな、と思う。
特に小さい頃のものは。
だって、自分の状態を「疑う」「吟味する」って発想がないから、
与えられている環境が自分にとってはあんまりいい状態じゃないんじゃないだろうか?
って考えてみたり、
与えられた環境を変えよう、という発想もない。
たとえダブルメッセージを常に送られて混乱の連続が引き起こされている状態でも。

例えば、虐待(セクシュアル・フィジカル・エモーショナル)・ドメスティックバイオレンスな関係の場合、例えば母親はひどく子供を傷つける・もう絶望のどん底に、目の前が真っ暗になるくらい。でもその5秒後に、ぎゅっとだきしめて、「ごめんね、もうしない。あなたは私の宝物。素晴らしい子供よ。」とやる。そして、また数時間後に罵倒する。典型的なダブルメッセージ。
さらにたちが悪いのは、父親が「お母さんはひどい奴だ。」といいつつも、お母さんからの攻撃から完璧に子供を守ってあげなかったり、そもそも別居しないという行為が、子供に対してダブルメッセージになる。

守ってくれる、って言ったのに
お母さんはひどいやつだ、って言ったのに
いつお母さんに襲われるか分からない状況を変えようとしないのは何故?
お父さんのいう事もお母さんのいう事も、信じるのは危ない、
でも、何を信じたらいいの?
って。

子供は無意識的に与えられた環境で生き抜くために自分を成型し、整え、崩し、また作る。
無意識的にその環境をつかさどる親や先生が気に入らないことは何か、喜ばせることは何か学習し、悪い状況を回避しようとする。
大人になるにつれて、その思考・行動・感情反応などがFixされてくる。
それは「親」との関係が変わった後も変わらず続いていくものである。

それは、例えば、虐待を受けた子供が、虐待する人になる確率が高い、という研究結果として証明される。ダブルメッセージを送り続けられ、混乱の中でサバイブするために身につける技。あんなに虐待されるのが怖くて・思い出すだけで吐き気がするのに、同じ事を繰り返してしまう、少なくともある時点で過去の虐待経験をみつめ、その頃傷ついた自分をケアするプロセスを行なわない限り。

家庭内の意見の相違I・II を書いている時から時間を隔てると、マインドも動いて、随分論点がずれてしまったこと、お許しを。
by totoatsuko | 2008-03-24 17:26 | Comments(1)
Commented by mino at 2008-03-26 23:04 x
お久しぶりです。
幼い頃に親から受けている影響、家族ダイナミクスから得ている影響って、本当に目を見張るほど大きいですね・・・そして、totoatsukoさんも書いておられるように、なかなかその影響に気づくことがむずかしいですね。私もここにきて、つい最近、やっと自分自身が両親から受けてきている影響と正面から向き合うきっかけがあり、目からうろこでした。あまりの衝撃にまだ消化しきれていないのですが、少し時間をかけてゆっくり付き合っていこうと思っているところです。ちょうどタイムリーな内容のエントリーで、思わずシェアしてしまいました。
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