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カウンセリング@代々木上原・音楽療法・心理療法 GIM

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教えられただけでは身につかない

教えられただけでは身につかない_d0065558_1363267.jpg例えば数学の公式を授業で教えてもらっても、
例えば英語の使えるフレーズを教えてもらっても、
自分が手を動かして公式を使って問題を何度も解いてみないと
自分が人との対話の中でそのフレーズを使いこなさないと
自分の物にはならない
自分が必要な時に、わざわざ記憶をたどって思い出そうとすることもなく瞬時に自分流にアレンジして公式なりフレーズを出すことは出来ない。

ペーパードライバーは、路上で経験を積まない限り、永遠にペーパードライバーだ。

体のバランスを崩した時
薬という外部から作用するものを体内に投入すれば症状は消えるけれど、自己浄化作用がそれで強化されるわけではないから、体の状態がバランスを崩しやすい環境にあるのには変わりがない。
例えば生活習慣・食生活を見直しなさい、とアドバイスされて、ふーんナルホドこういうのよくないんだ・いいんだ、と頭で知っても、中々今までの生活・食事習慣って変えられないことが多い。食べ物の嗜好なんてそう簡単に変わるものではなく、意識的に変えたとしても、なかなか美味しい!と心から思って食べれるかって別の話。

鬱とか摂食障害とか虐待とかアルコール・薬物中毒とか、なにか心のバランスがとれていないと感じてカウンセリングを受けにいって、カウンセラーに「そんな風に考えちゃだめよ、もっとポジティブにならないと。」とか「虐待の痛みって分かりますか?それをあなたは相手にやっているんですよ。フラストレーションたまっているならそのエネルギーを人でなくスポーツや芸術にむけたら?」というような助言を受けたとする。

そこで、「なるほど!そう考えたらいいんだ。」「あそっか、自分はフラストレーションたまってるから暴力的になっちゃうんだ」と仮に納得しても、フラストレーションの源が・心のバランスを崩し続ける要素が何なのか自分で気づいていない・あるいは事実として頭で知っていても心で感じていなかったら、アドバイスを貰った1週間くらいは行動や考え方を修正できてるかもしれないけど、やっぱり元のバランスを失った自分の状態にリバウンドしやすい。

その公式は知ってるけど、自分の問題解決にはどうアレンジして使ったらいいか分からない、という感じ。

私は必要ならば世間にはこういう公式がありますよ、というのは教える事が出来るけれど、そういう一般的によしとされる物の考え方はクライアント自身すでに知っていらっしゃる場合が多い。

ここでの音楽心理療法セッションでは、世間に知られてる公式を確認するというよりは、私と一緒にしか出来ない、自分だけの公式を作るプロセス(自分の公式なんてない、思い込んでいるから世間に出回っている公式を自分に当てはめて自分を理解しようと自分をまわそうと試みている人が多い。占い好きな人が多いのも納得。)、そしてそれを応用できるための練習問題を一緒に解いてくような作業を行なう。結果的に、出来上がった公式は世間に既に存在する物であるかもしれないし、まったく新しい法則かもしれないが、世間の価値観に揉まれて生きているわたし達にとって、自分の内側に自分の法則を見つけたら、少なくとも、やみくもに世間のおトク情報・お役立ち情報やウマイ話に流されなくなる・世間体や他人の評価に不必要に振り回されなくなる。

何故なら、自分の軸の実態と軸から世間までの距離をちゃんと認識でき、その距離が近すぎるから・遠すぎるから、と世間と自分の心のバウンダリーの在り方に対して過剰な不安感を持たずに安定してキープする・あるいは伸縮させることが出来るから。
by totoatsuko | 2008-02-08 11:46 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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