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精神疾患と音楽療法 I

精神疾患を持っていらっしゃる方々から最近問い合わせがあったので、精神疾患を持つ方と音楽療法について書いてみようと思います。といっても、ちゃんと書いていたら本1冊では終わらないくらいですから、なんとなくイメージをつかんでもらえることが目的として、まとめてみます。

Wikipediaから引用すると精神疾患(せいしんしっかん)とは、
脳(および「心」)の機能的・器質的障害によって引き起こされる疾患をいう。統合失調症や躁うつ病といった重度のものから、神経症(この用語は正式な疾患名としては用いられなくなりつつある)、パニック障害、適応障害といった中、軽度のものまでの様々な疾患を言う。
(引用終わり)

他にも、摂食障害・PTSD(ポスト トラウマティック ディスオーダー - トラウマ的な体験をした後に身体症状や精神不安定などが起こる)・自己愛性人格障害 (ナルシズム)、境界線人格障害(ボーダーライン)も、精神疾患を持つ人 のカテゴリに入れたとすると、これらの人には音楽療法が有効なのか?
どのような音楽の使われ方をするのか?

私が関わったブルックリンの病院の精神病棟(短期収容)は主に重度の統合失調症、躁鬱病の方でした。そこでのグループ音楽療法セッションの目的は
1.日々を規則正しく送るための朝のベンチマークとして。
2.安全な発散の場として (言葉で話すと「何わけ分からないこと言ってるの?」と見られるが、音楽の中ならそういう批判はない。)

統合失調症、躁の状態にある患者さんとは基本的に筋の通った会話は出来ません。薬物治療を施されていますが、幻覚、妄想と幻聴が入り乱れているので、朝おはよう、と言うと 真剣な顔をして「今日はもうすぐしたら、悪魔が降って来るから避難したほうがいい」と言われたり、「神が私にそうしなさい、と訓示した」と言ってフルチンで病棟を走り回り医療スタッフから逃げ回っていたり。

重度のエピソード中の方相手には、基本的にサポーティブレベルの事しか出来ません。
そこの病棟でやっていたグループセッションは、グループ即興が主でした。最初に参加者のみんなに、おはよう・今日の調子はどう?みたいな会話をして、そこで感じたエネルギーを音に変えていく。多くの場合、その即興にはまとまりがないです。当然の事といえば当然。現実と幻想がごちゃごちゃになっている状態の音楽にまとまりがあるはずがない。だから、無理にセラピストもまとめよう、としない。参加者が好きな様にできる状態を作る。

途中で、ソロが取れそうな状態の人、グループ演奏の中で、一人際立ち、ソロをとることでself-esteemが保障されるポジティブな体験を得ることが出来そうな人には、ソロを取る空間をあけます。(ソロをとることが苦痛な人だっています)

もう一つ思い出す手法は、fill-in ソングライティング & singing.
みんながなじみのある、単純な構成の曲を歌った後、一部の歌詞を参加者の言葉に置き換える。そうすることで、今日の自分が参加したグループの特別な曲を参加者の一員として作った、という満足感とか、自分の言葉を歌という安全で脅迫してこない適度な硬さの枠組みに乗せることで、自分の気持ちや考えを吐露することが出来ます。

音楽療法の手段や考え方は、クライアントの状態とセッションの目的によって変わるもの。
上記のやり方が全てではないことを、ここでお断りしておきます。

(続く)
次は躁鬱病と音楽療法に足をのばして書いてみようと思います。
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by totoatsuko | 2007-12-19 13:38 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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