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力づくでおさえつける

d0065558_1334759.jpg先日7針ぬったコドモの背中の抜糸をした。

消毒に一日おきに近所の小さな病院に行っているときから、「抜糸のときはまた押さえつけますから(きっと泣き叫びますよ、覚悟しておいてください)」といわれていた。そして案の定、縫われる時のように号泣&最大の抵抗。

お医者さんは、数分格闘した後、結局あきらめて、じゃぁお母さんに抱っこして貰っていいよ、と言う。そうしたら、何も言われないのに子供が腕の中でじっとしているものだから、「あ、この体勢いいですね、そのまま そのまま」 と、糸にはさみを入れていく。その間も子供は無抵抗だったので、数秒で抜糸がすんなりおわった。


まだ言葉でのコミュニケーションが上手く取れない子供をじっとさせるには押さえつけるしかない、って思うひとって沢山いるのでしょうね。恐怖を感じさせる状況をつくり、その結果必死に抵抗したくなる心理が生まれ、しかしそれを力ずくで押さえ込むには相当無理がある。その方法しかないのなら、そうするしかない。でも、子供を安心させることができたら、子供から信頼を勝ち取ることができたなら、脅さなくても、意味ない言葉がけをしなくても、今回みたいに拍子抜けするくらい じっとできる、それも長い時間。


私たちは、自分がこうあるべき、と思っている姿になるために、結構力づくで自分を抑えている。例えば、摂食障害。過度に食べる物や量をコントロールすることで、なりたい姿ーそれは 表面的には体形のコントロールだったりするけれど、その下のレイヤーには 今のありのままの自分を認めて上げることができない心理があったりする。あるいは、自分の人生があまりにも周りに翻弄されているので、無意識に自分が摂取するものくらいはコントロールしたい、という心理だったり。でも、無理に自分をコントロールする試みは理想の自分に自分を近づけるどころか、栄養失調や過度な精神不安定を生む。

また、泣いてはいけない、前むきに生きなくてはならない、と辛い状況にいる自分に言い聞かせて、無理やり元気な自分をよそおったりする。そして、余計に心のバランスを失ってしまう。それは、気づいていないかもしれないけど、暗い顔をしていたら周りになんていわれるかわかんないよ、と自分を(無意識に)脅し、とりあえず悲しい顔以外の顔をしようとする。本当は、普通の生活を送るのがままならないくらい、体力を消費しているのに。 もし、自分が感じている悲しみや怒りを 出てくるな!出てきたらただじゃおかないぞ!と脅すのではなくて、ああ、そんな強い悲しみがあるんだ、と受け止め、子供をお母さんが抱擁するように抱きこんでやると、自分にとって疎ましい自分も変な抵抗や行動・衝動を起こさなくなる。

心と付き合う方法は、心との距離の取り方はいろいろあるけれど、
脅して、押さえつけて、無視しているうちは、何も対話が生まれないどころか、ますます関係が難しくなってしまうだろう。
by totoatsuko | 2007-07-18 22:27 | Comments(1)
Commented by takano at 2007-07-19 12:38 x
いつも示唆に富む話をありがとうございます。
自分の気持ちに気づく暇もなく、周りに流されていることが多々あります。
自問自答が必要なのかも知れないですね。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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