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1点モノ

1点モノ_d0065558_348453.jpgここ数週間、必要にかられて椅子を探している。そこで思ったのは、有名デザイナーがデザインし有名になったモノのよさと、1点もののよさについて。

例えば イサムノグチのバタフライツール(ちっちゃい腰掛椅子)。
ちょっとインテリアデザインに興味のある人なら誰でもしっているもの。多くのお店で取り扱っているので、「イサムノグチ」と連動しなくても、多くの人の脳裏の片隅に記憶されているはず。結果、バタフライツール をみると、見た人のバタフライツールに関する印象の記憶を喚起する。「イサムノグチ」というブランドや、それを収蔵している NYのMOMA(現在美術館)や、それを売っているハイエンドなお店の雰囲気などを(無意識のうちに)、見る人に思い起こさせる。ある一定のイメージや印象を持ってもらうことを期待できる。
これは、イサムノグチのものだから、いいものなハズ、オシャレ、選んだひとはデザインコンシャスに違いない、などの感覚を期待できるし、「これいいなぁ~」という感覚を選び手と見る人が共有しやすい。

これは、人に例えれば 学歴とか、就職してる会社とか。より人に知られているものとリンクしていると、「~大学」だから頭いいんだろうな、とか「~デザイン学校の~教授についていたのなら、~系のデザインが出来るはず」とか、外資系の機関に勤めている人はカッコよくみえたり。大衆によく出回っているものにリンクしているものは、大衆が雑誌やニュース、イベントなど様々なシーンでその言葉を「経験」して、個々人の中で「イメージ・印象」なるものが形成される。そして、大衆心理の中で作成されるイメージは、売り手のブランドイメージ戦略に大きく影響されている。

大してよくないものでも、高級感を持って宣伝されれば、そういうイメージを持つようになる。
たとえば バックのブランド コーチ。日本では数ある高級ブランドの中では、中の中位に位置している感じだけれど、NYでは乱積みにされて無造作に売られていた。


かたや、一点ものは、ブランドイメージなどを背負いにくい。ブランドイメージを見方につけて、自分を売る・アピールすることができない。
もちろん、作家ものの1点もの、と説明されれば、その作家の名前がブランドとして1点ものの作品にイメージが付随してくる。今回 椅子を探していておもったのは、1点もののアンティークなどは裸で勝負してるということ。作家が誰だかわかりません、誰も私の個性を宣伝してはくれません、でも、私はここにいます、もしこんな私を好きと思うならご自由に、という感じ。ブランドものを「いい」と思わなかったら「いいものを理解できない人、と思われるんじゃないか(イイものが分からない人とは思われたくない)」という大衆心理が働くけれど、1点ものに対峙したとき、そういうものは存在しない。「自分」が好きか嫌いか、「自分」がいいと思うか思わないか、それだけ。
私にとっては、ブランドを背負っていないにもかかわらず、見たとき・触れた時 心に波紋を起こす可能性がある1点ものを見つけたときの喜びは大きい。ブランドものはどこでも見れるけれど、1点ものは 出会いそのもの。探していないと目に留まらなかったかもしれないし、1分おそかったら、他の人の手に渡っていたかもしれないのだ。

人間もまた同じ。
裸一徹で生きていくのは、効率が悪いし、人々の理解も得るのに時間がかかる。大きな会社に勤めていれば、その会社を通して人間関係を広げやすいし、こちらからも探しやすいし連絡もとりやすい。「~会社の~さん」(あるいは名前まで分かっていなくても)だけで、ネット検索したり人に尋ねたら、リーチできる。でも、その人が名刺ももたず、何にも所属していなかったら、再度その人を見つけ出すのは難しい。

でも、ブランドイメージにとらわれない自由がある。ブランドや肩書きに頼らず存在しているものには、それ自体に人をひきつける何かを内蔵している。それが放つオーラは、大衆には届かない。そのオーラを嗅ぎつけられるモノだけに届く力強く特殊な魅力。

大衆ブランドと1点もの。
自分の琴線にふれる椅子探しを通じて、それぞれの椅子のさまざまな個性、人生、生き方(製造から廃棄されるまでの道のり)が、人と重なっていった。


余談ですが、音楽療法士も同じ。
~大学で勉強しましたとか、~で実践しています、~で教えています、とあれば、「いい」療法士さんに違いない、と思えてしまう。まぁ、それは本当かもしれないし、そうでないかもしれないです。ブランドがバックにつくということは、それだけ実績があるからかもしれないし、たまたまかもしれない。ブランドがバックにない療法士でもいい仕事をしている人は沢山いますから。そういう意味では、自分に合う療法士さんを探す・見つけるのって「探した経験」がない人にはとても難しいものだと思います。

by totoatsuko | 2007-06-23 04:42 | Comments(0)
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