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projection & countertransference

projection & countertransference_d0065558_2143282.jpg今日は 前回の投稿へやや専門的な補足説明。

自分の身の回りに起こっている事に似た体験をしているように見えるクライアントと接すると、projection やcountertransference - 自分自身や自分が強い感情を持っている誰かをクライアントやクライアントが話す人物や物に無意識のうちに投影したり、感情を重ねあわせる、を起こしてしまう可能性が高くなる。

つまり、自分の感情がわー、っと出てきて それに妨げられて、プロフェッショナル ~クライアントの心が必要とするサポートをする専門家 としての機能が低下してしまうどころか、誤った判断・介入・クライアントのアセスメントをしてしまう危険性がある。

だからといって、自然と沸き起こるprojection や countertransferenceを排除したり曲げたりすることは出来ない。その試みはばかばかしい。しかし、極力 無意識下で起こるそれらの感情の揺らめき・衝撃を察知することにawareであろうとすることにより、クライアントのセラピストに対するprojectionやcountertransferenceにもより敏感になることができる。


例えば、自分のエネルギーが 喪失による深い悲しみを感じている時に、同じように誰かを失ったひとがクライアントとして現れたとき、セラピストはとても注意深くなるべきである。もし、自分の悲しみがクライアントが持ち込むそれに刺激されすぎて、自分の悲しみに溺れてしまうかもしれない、と少しでも感じたら、そのクライアントとセッションを始めることは丁寧に断るべきだろう。そんなことではセラピストとして十分に機能できないから。

しかし、もしセラピスト自身が、喪失の悲しみをきちんとプロセスした後ならば、その個人的な喪失体験を利用して、より近くクライアントの喪失体験に、クライアントと共に溺れてしまうことなく、自信を持ってよりそえる。言い換えれば、知り尽くした海での遊泳の補佐はできるが、知らない海にセラピストとして入るのは無責任・かつ危険極まりない。クライアントがその海を知っていく過程で、嵐が起こるかもしれない、日照りが続くかもしれない、またどこかに大事なものが隠されている洞窟があるかもしれない。そういう時に、必要なら日陰の場所を教えてあげれること、クライアント自身が洞窟を見つけるのを辛抱強く・クライアントの体力をみて無理をさせすぎず 待つこと。そして、知っているはずの海も、まったく知らない表情を見せる可能性があることを見にしみて自覚していることにより、予想できない状況に備えることができる。何処までも待ち続けられる、どんな荒波にも、どんな予想外の展開にも、自分だけでなくクライアントを守り、時には浮き輪代わりになりながらその状況を切り抜くことができる勇気と体力が、セラピストには必要とされる。

無意識で起こっていることは計り知れない。
それに加えて、セラピストは不完全な人間で、何か大きな力の前では無力である。

しかし、Projection と Countertransference、手ごわい感情だけれども、うまくそれと付き合うことでより鋭い感性を持つ強いセラピストであれると思う。
by totoatsuko | 2007-05-16 21:41 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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