投薬

問題になっているのは、薬の副作用。
摂食障害の少女に、食欲が増加する副作用がある「多重人格を治療する薬」 を処方したところ、少女の食欲は通常レベルにもどったが、背中にしこりができ、まともに歩けなくなってしまったケース。
癇癪もちの男の子・床を転げまわって抵抗したり、じっと椅子に座っていられないこの子に精神安定剤を与えると、みんなと一緒に静かに輪になって座り、与えられたアクティビティーに参加し、みんなと一緒に読み書きの学習をすることも出来る様になったが、極端に表情がなくなった。この薬の副作用の頭痛が夕方になるとあらわれ、この子は以前のように体中で悲しみを表すことはなく、じーっとその痛みに耐える姿をみせるようになった。
薬だけで心を操作する試みは怖い。
勿論、薬だってとても有効な手段だ。改善したい症状があって、それを瞬時になくしてくれるものがあるなら、藁にすがる思いで飛びつく気持ちもよく分かる。
でも、その子のいわゆる「問題行動」が、心のどんなわだかまりと繋がっているのか、という視点を持たず、生理的な視点だけで心と身体症状と行動を切り離して対処していると、とんでもないことになってしまう。人間の心と体と魂は密接に繋がっているのだから、人間は 物体ではないのだから。
by totoatsuko
| 2007-05-11 14:08
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