人気ブログランキング | 話題のタグを見る

カウンセリング@代々木上原・音楽療法・心理療法 GIM

totoatsuko.exblog.jp ブログトップ

幼児教育

幼児教育_d0065558_15203936.jpg子供をもってから、子供関連の見出しがよく目につくようになった。
今日もチラシに、私立幼稚園合格率No.1がうたい文句の塾が入っていた。

子供って、凄く柔らかいスポンジかゴムのようだと思う。
そういう塾に行って、色んなインプットをされると、短時間でたーーくさん吸収するだろうけど、家でそうじゃなかったら身に着かないーすぐ抜けていくし、今後の育つ環境で、インプットされたものは様々な形で消化されて、必ずしも一般的に「望ましい」とされるものをその子の一部として形成される保障は何もない。鉄のように熱いうちに徹底的に叩きこまないと曲がらないものは、いったん曲がったら元の形に勝手に戻ってしまうことはないのだが。

例えば、スラムで育つ子供がイギリスの貴族の子供が行く(=ジェントルマン教育が徹底している)学校にかよっても、イギリス貴族の様には育たないどころか、その子が属する社会では生きにくい態度を中途半端に身につけてしまい、近所の人たちにいじめられてしまうかもしれないし、貴族の教えと自分の社会の教えのギャップに悩まされるかもしれない。勿論、スラムでは学べない内容を、子供特有のクリエーティビティーで何かとんでもない発想を起こしたり、興味深い人生を作り上げる可能性も否定はしないが。

ただ、この学校に行ったからこの子が貴族の子供のようになることはない。特別な教育を受けることだけが、教育されたとおり生きることになるとも、子供の幸せを導くとも限らない。

アメリカでの研究によると、常にケアされて極力泣かないように育てられた0歳児と、アフリカなどで時には放置されて涙が枯れるまで(赤ちゃんはほとんど涙はでないが、これは例え)泣かされてた0歳児の数年後の情操に差異はないそうだ。ケアしたらした分いい結果が出るとは限らない。泣き叫ぶ赤ちゃんを放置するのは、かなり残虐な仕打ちのようだけど、実際はすくすくと育つのが事実らしい。

我が子をどの学校に入れるか、入れる工作が成功するか、というのは親にとって大問題だが
子供にとっては、世間に知られている学校や教育法を受けること自体ではなく、沢山思うように遊べて、学べて、発散できる場であることが、大事なのだと思う。

親の価値観は、親の価値観。今 世間でいいとされていることは、子供が大人になったとき評価される事とは限らない。また、世間がいい とすることが、その子の価値観・幸福観に当てはまるかどうかの保障もない。親が出来ることは、きっと 自分が幸せに感じる生き方を見つける、自分で自分の道を切り開いていくことが出来る体力作りを、まだスポンジのようにふにゃふにゃな時、子ども自身が自分の芯を作っていく過程を手伝ってやる事なのではないかと思う。

何らかの理由で、そういう成長の過程で踏むプロセスを逃し、自分の道を造っていく体力、幸福だと感じる感性に欠いている事、自分は何者なのか問うたことがない事にきづいた人が、セラピストと共に、大人に・しかも中年・初老になってやり直していく事もある。
by totoatsuko | 2007-05-09 15:20 | Comments(0)
line

音楽療法士(GIM)のつれづれ


by totoatsuko
line
クリエイティビティを刺激するポータル homepage.excite