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古材

古材_d0065558_22571961.jpg日本の住宅の平均使用年数は約26年。アメリカの44年、イギリスの75年に比べて極端に短い。
しかし最近政府レベルで建築物の再利用を促進する取り組みをしているそうだ。
何故なら、建築物を壊すと膨大な廃棄物が出て、その処理に手間ひま・お金がかかるから、資源を大切に使わないと、という意識が生まれてきたから、高齢化が進み新しく住宅を建てる資金源が(特にバブル期に比べて)著しく低下し現状の都市建築環境を維持するのが難しくなる、と予想されるから、のようだ。

私は、チープ&シックなものと同じくらい、気に入ったモノを大事に長~く使うのが好き。
今日は、田んぼの中を走るローカル電車でとことこいって、琵琶湖と比叡山の間にある小さなまちで古材をみてきた。

2ヶ月くらいかけて古い民家(新しいもので明治時代に立てられたもの。古いもので徳川時代)を丁寧に解体し、磨いて朽ちた部分を落とし、現代の家の材にする作業をしている人たち。日本文化に対する誇りと知識と職人気質に 唸らされた。

古材には一人一人の職人の癖やこだわりが随所に見られる。
今の建築物には絶対にみられないもの。
ゆらゆら、とわれるガラスは昔ガラスを作る技術が低かったからガラスの前にたつと自分の姿がふにゃふにゃ曲がってうっすら写る。それがまたいい味を出しているのだけれど、技術が発達した今の技術でも、技術がなかった頃作られたこのガラスは作れないのだそうだ。まるで、子供の無邪気で無作為な絵や音色と同じで、子供より色んな事を知っている大人が表面的に真似しても、所詮真似した色や音にしかならない。

プラスチックや、合板・ベニヤ板では作れない本物の「生きている」空間。

古材_d0065558_22495860.jpg新しいものもいいけれど、日本人も自分が選んだ生活空間、もっと大事に使うようになれないだろうか。その空間は自分が・人間が生きてきた足跡が刻まれている。日々作られていく傷や角が取れた丸みのあるテーブルや柱。例えば喧嘩してぶつけた時に出来たへこみだとか、毎日にぎってできた丸みや艶とか。手垢や油、すすによる黒ずみ。消せないと分かっているからこそ、もっと毎日を大事に生きることが出来るかも。あるいは、失敗と思ったこと、間違いと思った出来事、偶然起こることが床や家具に味を加え自分だけの唯一無二のものになっていく様をみて、人生で起きる様々なことも全て無駄ではない、と思えるようにはならないか?

今の時代 リセットがとても簡単。ゲームはリセットボタンを押せばいいし、いらなくなったものは捨てて、それに似ているけどより新しくて面白い廉価なレプリカも買える。家の解体だって昔に比べれば随分手軽に出来る様になっている。一本一本木を繋げている縄をといて、はめ込まれている材壊れないように大事にはずす vs ブルドーザーや火薬をつかって一瞬にして家を壊す。今は作るもの壊すのも昔に比べれば信じられないくらい簡単だけど、再利用できるものも一瞬にしてゴミにしてしまう。

早く作業を進めることで時間や労力を有効に使っているのかもしれないけれど、地球のかけがえのない資源は無駄に、丁寧に生きる事に対する精神は 無視されている。
忙しい日帰りの旅でしたが、いろいろなインスピレーションを受けてきました。

民家再生リサイクル協会
by totoatsuko | 2007-04-18 22:56 | Comments(2)
Commented by ごりらいも at 2007-04-30 01:39 x
あまり関係の無いお話かもしれませんで恐縮で御座いますが、西岡さんという法隆寺の宮大工さんが書いた「木のいのち、木のこころ」という書籍が御座いましてこれが大変秀逸です。
木には命があって、出来る限り長く使ってあげることが重要であると。
木というのは寿命と同じだけ建築物として使えるものだそうで、樹齢800年の木であれば800年は建築物として使えるのだそうな。
しかし世の中はそれよりもはるかに早いサイクルで建築物をぶっ壊しちゃって作り変えちゃうわけですね。
それは「建て方」をそもそも知らないことにも起因しているわけですが、昔の人の知恵というのはすごいもんで、歴史的建築物から学ぶことは多いものだと関心したものです。

というわけで全然関係なくてすいません。
Commented by totoatsuko at 2007-05-01 10:30
その本、有名ですよね。
もしかしたら、人間も当の人間によって使い捨てされるご時世になってきているのかもしれない、と思いました。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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