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日本社会でCreativeであることが意味するもの

以前美容師さんがかっこいいデザインのドライヤーを使っていたので、どこの製品ですか?ときいたら、確か 「イタリアのメーカーです。」といわれた。

「機能・性能は、日本のものって、海外の物と比べたら格段優れていたり、使い勝手がよかったりするのに、どうしてデザインはイマイチなものが多いのでしょう。」と言うと、
「日本では、思い白いデザインとか色にすると売れないらしいですよ。」という答えが返ってきました。
ふーん、日頃生きてると、日本も結構面白いものが出てきたし、それを奨励する・求める風潮が出来上がってきたと思っていたけど、違うのかな、そう思ったのを思い出す。


また、化粧品のプロモーションの仕事をしていた人に聞いた話。
「素顔の自分らしさ」をキーワードに、ある綺麗どころ有名女優を起用して売り出したプロダクトが爆発的に売れたのだけど、よく話をきいていると、消費者がその化粧品を買った理由は、素顔の自分を出したいという願望からではなく、「素顔・素肌で勝負している(ようにみえる、厚化粧にみえない)女性に(新製品を使ってその女優のような化粧をすることによって)なりたい」願望だということ。
「自分らしさ」というキャッチは聞こえはいいが、現実に起こった現象は、没個性化。

本当は、誰も素の自分なんか出したくなくて、やっぱりみんなが「いい」と思うものやトレンド(素肌っぽさ、作りここんでいないように見せる細工)に乗っかりたいだけだったのかもしれない。


勿論、自分達の親の世代と比べたら、Creativeであること、ひらめきを行動に移すこと、周りの人と違うことをすることに対する社会の風当たりは変わって来ているのかも知れないけれど、今の日本人は、真にありのままの姿であることや、思ったことをお互い伝えあうこととか、他の人と異なる考えや行動に直面すると、あこがれたり、そうありたい、と思いはするけれど、現実には、無言のうちにささーっと否定的な空気をつくり、無意識の内に拒否反応を起こすことが多いのだろうな、と感じています。

色んな人種がいて、文化が混在しているNYでの私の体験は、何をやっても驚かれなかったこと。ふーん、あなたはそうなんだ、という感じ。一人一人カラフルで、いろんな形(例えば、着ているもの・体形という点)があるから。 日本では極端に痩せてる、太ってる、変な趣味、と思われる外見も、難なく景観の一部になるし、人ごみにまぎれる。「美人」「Cool」のストライクゾーンも、日本と比べて、幅が格段広い。日本だと、なんで同じ日本人なのにそんなことやっちゃえるの?と日本人だから~なはず、という先入観を(無意識のうちに)もって、相手や自分の行動を評価される。

日本の白い何の変哲もない家電の中にビジュアル系クリエーティブ曲線とビビットカラーのドライヤーを紛れ込ませた違和感を感じるが、周りもカラフルな家電だと、すんなりと溶け込むのと同じ。

Creativeであることと、それをどうアウトプットするかは、別の次元の話だけれど、
「ユニークである」「クリエーティブである」ことを表面では賞賛しながら、深層心理では誰も(とまでは言わないけれど)それを心から歓迎してない、という表裏を持つ日本で、面白い感性をはぐくみ発揮するには、それなりのテクニックが必要だなぁ、と思ったのでした。
by totoatsuko | 2007-03-12 12:46 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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