団塊の世代 ~ where to go?
これによって、彼らの持つお金の流れを受け止めようとする産業も続々でてきている。
そして、彼らの心のケアのニーズを訴える声もある。
その前後の世代と比べて、この世代の人は、常に大人数で同じ方向に向って頑張り、グループとして大きなものを達成していく、みんな仲間 という様な意識を持っている人が多いかもしれない。
貧しくて、社会が行き詰っているなかで、それを何とか打破しよう、何か新しいことを始めよう、というよりは、高度成長の波に乗って、流れに逆らわず、疑問もあまり持たず、その恩恵も受けつつやってきた。
そして、もう少し若い世代になると、家に金銭的余裕もでてきて、人生の道草をくう余裕が出たり、色んな選択肢を社会が提示できるようになった。団塊世代が持つ価値観とは、全く違う人生観を持つようになった。
完全終身雇用制度が、まだ存在するうちに退職に至れるのは、ラッキーかもしれないが
会社 とか 社会 家族という大きな枠組みに強くidentifyされて生きてきた人にとって、
退職して 属するべきグループがなくなる、というのは大きなストレスだろう。
今までは、属するグループが提示する道をそのままたどれば、たとえ 何も考えなくても、自分が何者か知らなくても、心に負担を感じることなく生きてこれた。
以前は、退職しても、町内会の役員とか、子供と同居するとか、何らかの帰属するグループが存在したが、核家族がすすみ、地域のつながりも薄れたこの時代、人々は、ぽん と放り出される。奥さんからも 放りだされる人もいる。
仮に、仕事一筋できたならば、趣味のような、自分でやりたいこと は何かなんて、考えもつかないだろうし、一体自分は何者なんだろうか、と引きこもってしまうのも理解できる。
彼らが新しいIdentityを見つけるには、残りの人生を一人の人間として充実したものにするには、どうのような事が出来るのだろうか。