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カウンセリング@代々木上原・音楽療法・心理療法 GIM

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鬱 の 対処法

今日は、インターナショナルな精神科医やサイコセラピストの集まりに出かけ、
とても自分の中で風通しが良くなったのを感じた。

本当にちゃんとトレーニングされている人たち、
質のいい仕事をしている人たちと交わるのは、
本当にいい刺激になるし、自分の中でぐるぐる回っているものを消化する手助けになる。

日米で、精神科医として活動する人が、
鬱(ディプレッション) の人を扱うには、ファーマコセラピー(薬)とサイコセラピーのコンビネーションが重要だ、と言っていた。あまりにも深い鬱にはまっている人は、薬である程度までムードを安定させる必要がある。鬱のどん底にいる人は、自分の気持ちをプロセスする心の体力がないからだ。

しかし、ある程度心の状態が安定したら、サイコセラピーを平行して始めるべきだと言っている。
鬱を引き起こしている過去のトラウマや、思考パターンなどを消化する必要があるからだ。

彼は言っていた。
アメリカ人は、薬を恒常的に飲むのを極度に嫌がる。医者も患者を薬漬けにはしない。それは、保険会社の厳しいチェックがある、というのも一つの理由だろう。

かたや、日本人は処方された薬を永遠に飲み続ける事に対して、あまり疑問を持たないし、精神科医もためらわない。何より恐ろしいのは、最初のカウンセリングセッション(1時間ー30分くらい)でアセスメントをして、薬を処方したあとは、半月か一ヶ月に一回 たった5分の問診で患者の状況を把握したつもりになっていること。患者が 症状が回復しないといえば、薬の量を安易に増やし、気がついたら信じられない量の薬を患者が飲んでいる、薬漬けの状態になっていることがある。

なんとなく、日本人はアメリカの薬は強すぎるとか、アメリカ人はすぐ薬を飲むというイメージを持っている人が多い印象を私は持っていたのだが、もしこれが事実なら、状況は全く逆ではないか。日本人の方が医者のいう事を鵜呑みにする上、誰も医者も監督する者や機関がない。


きちんとトレーニングされたカウンセラーが日本にほとんどいないから、精神科医たちがカウンセリングの効果を認めないのはしょうがないと言えるかもしれない。しかし、患者さんの状態によっては、明らかに薬だけで治療するには限界があるのだ。そして、サイコセラピーのみでも。

今日は、精神科医である彼が、アートのように個人の状況にあわせて薬を処方している姿勢をうかがうことが出来て、自分の中で、いい意味で精神科医の役割を再評価することが出来た。
by totoatsuko | 2006-11-10 21:39 | 日々感じたこと | Comments(1)
Commented by dobii at 2006-11-20 21:45 x
こんばんは。 自分も、精神科に勤める前は薬の量が多い患者さんを見ていて、同じことを思っていました。 ただ、本当にそのコントロールが難しく、外泊して、薬を1.2回飲まないで帰院した患者さんの変容ぶりに驚いたりしています。 カウンセリングが有効な時期、1日のうちにもそれはあるように感じています。 むずかしい問題です・・と言ってはいつまでも難しいですんでしまうのかもしれないですね。。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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