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魔がさす

魔がさす_d0065558_17543629.jpg大きな事件を起こしてしまった人の中には、
「どうして自分がやってしまったのか分からない」
という人がいる。

その人を知る人が
「まじめそうな人でした」とか、
その人が大きな事件を起こしそうな人物でなかった、と供述することもある。

一体、何がその人を突き動かしたのか?

一つの仮説は、その人の心の構造があまりにも平坦化され、柔軟性を失ってしまっていて
すっ、と強い力が心の隙間に差し込んだ時、これまで精巧に保たれていた心の均衡や静けさは、一気に崩れてしまい、これまでの状態の影・あるいは裏面が、ペロンと表層化して、事件を起こしてしまったりする、体調を壊してしまったりする。外部からの衝撃を吸収する弾力や、ゆっくりと消化していく機能が働かないのだ。

均衡が崩れた瞬間、爆発してしまう、自分が破滅してしまう。

予定外の心への衝撃を、もろに打撃としてしか感じられなかったら、
余計心は硬直するし、その衝撃に対してもより脆くなる。

例えば、色恋沙汰に全く心を揺るがさない人、あるいはそういう事を否定的に見る人がいるとしよう。理由はいろいろあるだろう。昔つらすぎる痛手を負ったとか、そもそもそういう事に興味が無い人間だと思い込んでいるとか。恋をしなくても楽しいことは沢山あるとか。何かの理由で、誰かに魅かれることは悪いことだと信じているとか。。。

どんなSexyな人を見ても、どんな雰囲気のある人と話をしても、心が揺らがない。
もしかしたら、そんな人と接するのさえ億劫だと感じているかもしれない。
それは、心が、硬直しているか、単層化しているかもしれないサイン。

風がふけば、理屈は関係なく肌が風の流れを感じ、髪や洋服が風に靡くのが自然なように、
心がエネルギーを持つものに接した時、何かを感じるはずなのだ。
ときめきや、あこがれ、この人いいな、という素直な心の揺らぎ。

異性に対する感情だけではない、日々の出来事、今やっている作業やイベント、人との触れ合いに対しても、心は色んな刺激を受けている、自分が意識している以上に!

それらに対して様々な心の反応をもてないということは、
心が、外的刺激に対して感じる豊かな感情反応を保持できないほど切羽詰っているか、感じないように平面的になり、刺激をなるべく汲み取らないようにしているか、刺激を跳ね返して、心の層に取り入れないようにしているか。。。

そんな心の状態の場合、死の痛みとか、心が傷つく痛みは、なかなか感じにくい。

平穏にそれなりに楽しく暮しているはずの人の心に
ふと魔がさして
心は平面的な存在ではないことを主張する。
by totoatsuko | 2006-10-31 17:48 | 日々感じたこと | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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