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社会主義の歴史に触れて~

社会主義の歴史に触れて~_d0065558_17283967.jpgいま、プラハにいます。
往来の友人に会ったり、街並みをそぞろ歩きしたり。

とても20年前までコミュニズム(社会主義)が占領していたとは思えない。ここが、日本人をよく見かけるところ、とルイ ヴィトンのお店を友人が指差す。資本主義は怒涛のようにはいってきたのか、小さいながらも、ブランド通りがあるし、巨大ショッピングモールもいたるところにある。

観光地の路上には、かなりアメリカンな音をだすJazz musicianたちがいる。
本当に、ここは、資本主義を推し進めるアメリカを毛嫌いしていた国なのか?

友人の話す、ヨーグルトは2種類しかなかった(のが、いきなり20個に増えた)とか、高校に行くためにはコミュニズムにならないといけなかったとか、生の声にはいろいろ思わされることがあった。

彼が小さい頃、おじいさんが「新聞に載っていることが全て正しいと思ってはいけない」と言ったのがショッキングだったとか、学校では先生が正しくて授業の仕方も「話をきく」という形式だったとか(それは今も)。きいていて、少し日本と似ているなぁ、と思ってしまった。

新聞に載っていることが間違っているかも、とか、そこでは語られていない事実がたくさんあるかも、と思いながら読んでいる人は、日本でもそう多くはないはずだ。

自分が何を求めているのか?何が好きなのか?自分は誰なのか?

そんな質問を自分に問いかけることは社会主義では許されない。
そんなことを許していたら、ソ連が目指していた社会主義が成り立たなくなってしまう。
オーソリティー(自分より上の階級、職業、立場)に意見する、という概念を持ってはならない、と刷り込まれている (気づかないうちに。思いあたりませんか?私たちの社会の心の中にも)

マルクスの理想は、みんなで働き、お給料は同額、過分に得た財産は、みなで共有することにより、みなが同じくらいのお金を持ち、同じような暮らしをすることにより、みなが幸せになる、という事だった。理論的には完璧な社会システム。しかし、最大の誤りは、彼がその理論に人の心を加味するのを忘れたこと。

人間誰だってエゴがある。
頑張った分だけ、報酬が欲しいと思うのは当たり前。
幸せと思う尺度だって、それぞれ全くちがう。
特別な存在になりたいと思うし、じっさいそれぞれの人間は特別な存在なのだ。社会全体を丸めるための歯車のひとつではない。

話はそれるが、河合 ハヤオさんの本に
日本人はまず「社会」があって、それを形成する「個」がある、
欧米は、まず「個」があって、それが「社会」を形成している、 という「個」と「社会」に対する概念の違いがある、と書かれていて、とても納得した覚えがある。

観光客であふれ、サッカー中継にもりあがっている平穏で美しいプラハを歩きながら、その歴史に触れ、思いはめぐる。
by totoatsuko | 2006-06-22 17:28 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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