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イマジナリープレイ (空想世界でのあそび)

イマジナリープレイ (空想世界でのあそび)_d0065558_3421167.jpg子供の想像力の豊かさには、時に驚かされることがある。

友人の家に遊びに行ったとき、1歳半の子が、部屋の向こうにあったお気に入りの色んな色の風船の絵が書いてある箱から、その風船を(想像上で)人差し指先と親指先をつかって想像上の風船をつまみ、トコトコ歩いてきて、私の手のひらの上で、その風船をちっちゃの指先から落としてくれた。

彼は、想像の世界と、私と彼の体が触れ合うこちらの世界の境界線が、大人のようにはハッキリしていなくて、自由に行き来している。

大人になったら、想像・空想をしても、その世界を “生きる”ことは、あまりしなくなるが
子供達は、その世界で、深い体験をしているのだ。

イマジナリープレイをするには、読んだり、見たり、きいたりしたことをただあびているだけでなく、自分の中でそれを消化し、自分というフィルターにとおして、声や体の動きを作っていく。
言い換えれば、言葉をただ音として捉えるのではなく、草原と空の絵をただ緑と青の組み合わせとして捉えるのでもなく、そこに意味をコンテクストを自分なりに見つける内的な作業が起こっている。

自分の空想世界、という安全な場所で、子供は現実社会でやる行動を練習したり、現実社会では出来ないことを実現することができる。たとえば、両親がいつもケンカしている家庭の子供が、人形をつかって両親を攻撃したりする。言葉で「嫌だ」といえない子供でも、空想の世界での遊びなら、自由に思い通りの世界を作り事が出来る。


自閉症の子供もイマジナリープレイをするけれど、それは彼ら特有の、彼らの世界内での再現にとどまる。結末を変えたり、他人をそのプレイの一部に取り込むことはしない。(それぞれの子どもは違うから断言はしないけれど)


ある自閉症スペクトラム(広汎性発達障害)の5歳の女の子。
初めて私とのセッションに来た頃は、ほとんど言葉を発することもなかったし、私の音に関わるということもなかった。同じ部屋にいても、私の存在に気づいているとはいえ、共同で何かをする、ということは起こらなかった。

それから半年後、彼女は本で読んだり、日常できいた言葉や、会話をセッションの中で再現するようになってきた。

例えば「赤ずきんちゃん」に登場する狼になりきって、おばあさんを襲うシーンを再現したり、ベットでおばあさんになりきって赤ずきんちゃんをまちぶせしたり、赤ずきんちゃんになって、狼のおなかをつきやぶって脱出するシーン。ときにストーリ展開を自分バージョンにかえてみたり。

その時どきで、そのシーンにあった音楽を弾くよう私に指示をだす。音楽(外的なもの)を受け入れられるだけのキャパシティーや、他者とのコミュニケーション能力の取得。
その役になりきって、それぞれの感情を表情や言葉で体で表現する。
とても強い狼になってパワー、支配力のある自分を感じてみたり、狼のおなかからおばあさんを助け出すヒーローになってみたり。

こんなセッション一見、何も知らない人から見たら、ただ遊んでいるだけと受け止められるかもしれないが、セラピストの役目は、GIMセッションでクライアントのイメージ体験をサポートしているときと同じ。本人が、より深くその空想体験を豊かに感じるサポートをプロフェッショナルにやっているわけだ。

イマジナリープレイをした直後に子供に大きな変化が現れるとは限らないし、それが目的でもない。子供が十分に、外から取り込んだものを、自分なりに消化・表現するプロセスを支えていけば、自然と子供の内側から何かがうまれてくる。
by totoatsuko | 2006-05-12 03:41 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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