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カウンセリング@代々木上原・音楽療法・心理療法 GIM

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よび方

よび方_d0065558_921026.jpgふと、私は、日本に帰ったら、クライアントにどうよばれるのだろうか、と思いをめぐらせ日本で活動している音楽療法士の友人達に尋ねてみたら、色々興味深い見解を示してくれました。

皆さんは、日本でクライアントの方にどう呼ばれていますか?

音楽療法士をどう呼んでいますか?
苗字で? 下の名前で?それとも「先生」?

クライアントとの関係 (個人/グループセッション・クライアントの年齢)にもよるのでしょうが、よび方は、ある意味その関係の入り口のダイナミックス、あるいはクライアントのセラピストに対するプロジェクションを表しているような気がします。

英語では音楽療法士に対して「先生」とは呼ばないので、日本語で「先生」とよばれるのに違和感があるのだけど、こちらに住んでいる日本人の人は、「先生」って呼ぶ人もいて、私に対する態度もいわゆる「先生」(オーソリティー)に対するような感じの人もいます。もちろん関係が続いていくと、その態度も変化していくのですが。

「先生」って、考えてみたら面白いことば。
権威の象徴にもなりうるけど、「先生軍」に属してる - あるいは「あっち側」に属している人をよぶ時、いつでも誰でも使える便利なもの。政治家、作家、学校の先生、医者、弁護士、税理士、、、

誰にでも使えるという点は、とても便利でもある。
名前忘れちゃった時とか、「先生」って呼べば、いちいち名前を確かめなくても、その場が切り抜けられる。あるいは、「先生」というある意味クリアーな位置づけをすることにより、「自分が信じる、世間でスタンダードとされていると思っている」言葉づかいを使えばまちがいないし、とりあえず世間のスタンダードな「先生」にたいする態度を取っていれば、まちがいない、という側面もある。

お互いの気持ちを思いやり、腹を探り合い、言葉で話して全てを明らかにしようとしない、日本人の知恵なのかも。

アメリカでは、「個」を表に出しながら人とコミュニケーションとっていくので、「先生」という匿名なよび方がない。必ず、名指し。「先生」という名前のもと、自分自身を適当にほか一般の「先生」に属するものとしてあやふやな立場でやれない。

呼び名は、呼び名。
入り口が「先生」であれ、「アツコさん」であれ、「ナダタさん」であれ、ニックネームであれ関係が続いていけば、そこにリアルな感情が行きかってくる。ただ、何処から入るかによって、その道筋がすこしかわってくるだろうなぁ、と思うのです。

私を「権威」としてみた人にとっては、いくら私が「わたし達は対等ですよ」と言葉で音楽で伝えても、自分の中の私の権威に対する壁が何かのきっかけで壊れないと、そうはならないだろうし、

私を「オンガク屋」としてみた人にとっては、私が音楽を演奏せず、話を通じて接している時は、何でこの人歌うたってくれないの?と思い、わたし達の間におこっているダイナミックスに戸惑うかもしれない。「オンガク屋」のくせに、なんで私の心に深くきりこんでくるの?と。

そんなクライアントの感情の出現・それの変化は、セラピーのプロセスの重要な材料になる。
その人は、どういう関係を私にプロジェクトしているのか、プロジェクトされた関係は、その人の人生にとってどういう意味を持ってきたのか、、、

クライアントがどの様に、どんなニュアンスで呼ぶか、掘り下げていくと、いろいろな発見があるはずだ。
by totoatsuko | 2006-04-26 09:24 | Comments(2)
Commented by miho at 2006-04-26 13:43 x
先生と呼ばれることについて。
帰国後すぐは、とても違和感がありました。どこにいても先生と紹介され、職員さんも雇い主も私を先生と呼びます。はじめは戸惑っていたし、自分のみんなとは違う立場に居心地が非常に悪かった。
しかし、最近になって先生と呼ばれることが必ずしも悪いことではないように思うようになりました。先生とその他では2グループできます。でも、先生は、先生としてあなたたちの表現する一部始終を見守ります、というスタンスでクライアントを安心させることもできます。でも、先生とよばれるからといって、えらそうにしたり、指示したりするとセラピーからはかけ離れるでしょうね。

先生であることの利点は、安心感を与えることができるのでしょうか。
怖い点は、先生と呼ばれることでセラピストもパワーを感じたり、クライアントと距離をとりすぎることでしょうか。
日本の学会や講習会にいくと必ず目にする「先生のおっしゃることは絶対正しい」てきスタンスが繰り返される限り、本当のセラピーを学びあうことは難しいと思います。
日本とアメリカは近いようで遠いです。文化も表現も人間関係のダイナミクスも。。。お気をつけて帰国してくださいね。
Commented by totoatsuko at 2006-04-28 03:54
Mihoさんをはじめ、アメリカで勉強した私の友人が口をそろえているのは、「先生の言うことが絶対正しい」という距離感が音楽療法の生徒間であることでしょうか。 確かに先輩は沢山の経験、知識、知恵をもっているけれど、スーパーヴィジョンや学びの場では、先輩の考え方ややり方に疑問・質問を投げかけ、クリエーティブな対話をもうける事によって自分のスタイルを模索し、築いていけるのではないかと思います。先生や先輩のコピーには結局のところなれないのだから。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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