自分で自分を欺かない ということ
Alice Turry hallでのコンサート、一曲目、チャイコフスキー カルテットNo.1の二楽章。https://www.youtube.com/watch?v=vNG1RIq-VD4 (Cello: Mstislav Rostropovich version) (その夜は Nocholas Canellakis がチェロ)
研ぎ澄まされてて、嘘がなくて、全ての音が完璧で、崇高で美しくて心の真髄にまで到達するもの。世界レベルの音楽家たちが何かを犠牲にしながら音楽に魂を捧げて生きてきたからこそ紡ぎ出される珠玉の音色。
”何かを回す”ために見えてることを見えていないふりをする事を求められ、それを拒否したら、属しているものからの離脱を求められるのかもしれない。それはもの凄い犠牲、痛みを伴うことも多々あるだろう。同時に、それは自分が自分を欺かなかった事で守られる自分がいる。自分が失ったものよりも得られたものの大きさををむしろ歓迎できる日が必ず来る。少なくとも、自分を否定してくるような相手や組織との繋がりを、自分を殺してまでキープしようとする自分の自分に対する態度はなんなんだ、と自分と対話をしてみる価値はある。そして、少なくとも、それがJungのいうindividuationのプロセスの一部でもある。
Individuation (インディビジュエーション)
Individuation を意訳すると、個人化する、とでもかける。
例えば、母親に世話をされる母親の子供(息子、娘)という世界を本人は生きていて、それが生きづらさの原因の一つとは気づいていない。母親との関係を見つめ、自分の中の自分にちょうどよい母親像やクオリティーを自分の中に発見し育てると、自分で自分の世話ができるようになり、母親に求めていたものを自分で提供できるようになり、気づいていない母親からの要求や抑圧、影響、などから”自由”になる。個として、一人の”自分”としてより自分らしく生きることができるし、母親との関係も、母親を一人の”個”として捉えられるようになり、しがらみに囚われない、母親がどうであろうと、自分の望む関係を彼女と築くことができるようになる。
チャイコフスキーのAndante cantableのライナーノートを読んでいたら、このウクライナの民謡をペースにした曲の初演はトルストイがチャイコフスキーの横に座っていて、トルストイも涙を流した、と。それを知って、大きな歴史の中の人物と自分がcollective な領域で繋がった感じがして、さらに深い余韻を感じている。
ブラームスのQuintet Op.111の二楽章も、悲しくて、後悔してたり、ノスタルジックに思い出したりしながら、静かに幕を閉じる感じが、チェロのピチカートが心の琴線に触れた。https://www.youtube.com/watch?v=VzsopbwnuZE
I just couldn't help but crying once I hear the first note of Tchaikovsky's andante contable. https://www.youtube.com/watch?v=vNG1RIq-VD4 So beautiful, so true, so warm and so nostalgic. The musicians sacrifice their part of life to become a great musician and together create this genuin authentic sound. It's sometimes not easy to stay truth to one's SELF. Because if he/she refuses to lie or pretend, he/she may end up losing something. It's painful, but the bottom heart, he/she will be greateful that he/she stays true to himself/herself.
"Never in my life have felt so flattered and proud of my creative ability as when Leo Tolstoy, sitting next to me, listened to my andante with tears coursing down his cheeks, " Tchaikovsky wrote.
The theme is based on an Ukrainian fork song. Learning that Tolstoy too was moved by this beauty, learning that my reaction synchronised with Tolstoy's reaction, I felt I connected to Tolstoy collectively beyond the historical time. My emotional experience was even more elevated.
Then, I also loved Brahms's Quinted in G major, Op.111, especially 2nd movement. Cello's pizzicato... The melancoric theme. Its sentimental, a sense of regrets, pain, nostalgia, sadness, warmth and reconsiliation really touched my heart. https://www.youtube.com/watch?v=VzsopbwnuZE
お問い合わせ、セッション予約 は letsmusicingATgmail.com まで。
by totoatsuko
| 2021-11-23 06:31
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