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自閉症(あるいは障害を持った人)の人の世界の感じ方 III (完)

自閉症(あるいは障害を持った人)の人の世界の感じ方 III (完)_d0065558_7372031.jpg自閉症、あるいは障害を持った人の世界観というのは、私達が想像している以上に、異なるものなのだろうと思います。

聴覚(auditory system)に障害をもっていれば、子供が人の会話をききながら、どういう場でどう受け答えするか(例えば、朝、人にであったら“おはよう”と言う、夜ならば、“こんばんわ”)自然に学んでいく事が自然に起こらない。

Proprioceptive systemが機能していないと、適切に体を動かしたり、動きをコントロールすることができず、例えば、相手をなでているつもりが激しく叩いていたりして、誤解が生じてしまう。でも、自分で叩いているつもりはないから、何故相手が怒っているか理解できない。言葉をうまく使うことも出来ないから、釈明する事も、謝る事も出来ない。


自閉症の人が、反復行動を好み、他者とのコミュニケーションや変化を嫌うのには、ただ単に彼らの特徴と言って片付けてしまえない、心理的な要素をも含んでいます。

アメリカではABAという行動療法で自閉症の子供に好ましい行動や言葉を話す事を教育するシステムがあります。とても効果があるのですが、ここでは、彼らの日常感じているフラストレーションとか、憤りなど心理的な側面を扱いません。

彼らが、例えばABAによって、言葉が使えるようになったり、自分でご飯が食べれるようになったりして、より社会に適応しやすくする教育はできるでしょう。けれど、それを使いこなすための゜自信’や、自分の゜何かを伝えたい、表現したい”という内なる欲求をはぐくむ事はABAの一義的な目的ではありません。

かたや音楽セッションでは、批判的でない、"正しい・間違い”とう概念のない環境を作ることによって、その人が持っている内なる創造性や欲求を刺激し、”こころ”のケアもすることが出来ます。

思っていることをうまく相手に伝え、理解してもらえなかったり、思うように体が動かせなかったり、感情を分かち合う友達が一人もいない“こころ”をケアしてあげられたら。。。

音楽は、“こうしなさい”というメッセージを送らないかわりに、本人の内面から“こうしたい!”と思わせます。言葉をしゃべりないさい!と100回言う代わりに、本人が音楽の中でとても楽しい体験をしたり、音をだす人に興味を持ち、音を出す人がつかっている道具(言葉)を使って、コミュニケーションをとりたい!と思えば、言葉の習得はよりスムーズになります。


知識として自閉症の人のメカニズムを知っていても、実際彼らとおなじ目で世界を見ることは不可能ですが、この3シリーズの投稿で書いたことが、自閉症の人と関わる人にとって、その関わり方のヒントになれば、と思っています。
by totoatsuko | 2005-12-19 06:46 | 日々感じたこと | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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