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自閉症(あるいは障害を持った人)の人の世界の感じ方 II

自閉症(あるいは障害を持った人)の人の世界の感じ方 II_d0065558_14294014.jpgちょっと難い話になってきましたが、セッションを行なっていくうえで、クライアントのニーズを理解することはとても大切な事なので、続けますね。

ここでは、それぞれのシステムについてもう少し説明を加えます。

1. Vesticular System
自分の頭の位置は、Hair cells (Cristae) located in the semicircular canals, the utricle and the saccule of the vestibular labyrinth (脳の中の細胞、と理解すればいいです)が感じるものによって、判断・理解されます。

自閉症の人は、これらの情報が適切に受け止められなかったり、処理されなかったりする。よって、その人は、たとえば地面がぐらついていたり、体が降下していっているように感じている事があります。

このシステムが適切に機能するようにOccupation therapist (理学療法士) は自閉症の人をトランポリンの上でジャンプさせたり、ハンモックにのせてゆすったりする。音楽療法は、これの動きに合わせた音、リズムのパターンを提供し、Auditory system(耳からの情報をプロセスする働き)を刺激し、体の動きを適切に体と脳で理解し、自分のものにするために脳に記憶させるのを促進させます。

2. Proprioceptive system
Proprioceptive = 肘、手首、腕の筋肉
脳は、体の筋肉、物を触った感触、目や耳からの情報をまとめ、プロセスし、体が感じている事を解釈し記憶する。例えば、ジャンプするにはどのくらい膝を曲げないといけないか、どのように体のバランスをとるか等、脳は失敗と成功を記憶し、学習します。

音楽療法は、脳の“訓練”に用いる事が出来ます。
Proprioceptiveを欠く自閉症の子供は、安定して立つ、歩く、走る、書く、2つ以上のステップを要する作業 (体の動きを計画的になす事= motor-planning difficulty) が、難しい。これは、心臓発作などで脳にダメージを受けた人や、老人にも多い現象です。

自閉症の子供によく見られる、反復行動、同じ状態、環境であることへの固執、コミュニケーションがうまく出来ない事、新しい事に対する恐怖、自分の体に対する認識、距離感の相違は、proprioceptive –vesticular –visual sensory systemがうまく相互機能していないことと、それによる混乱が、引き起こしているものと考えられます。


3. Tactile system
Tactile systemの働きは2つあって、それはdiscriminatoryとprotectiveです。
この2つは、体が、機能的に落ち着いて体が絶え間なく感じている刺激に対して対応するために共に働いています。

Discriminatory systemは、皮膚、口などの体の部分が、体の何処の部分で、どういう刺激を受けているか感じるもので、protective systemはその刺激の質、例えば体にどのくらい危険なものなのか、どれだけの痛みを感じているのかを、判断するシステムです。

例えば、熱いストーブに手が触れた時、私達は“熱い!”と感じ(discriminatory system)ると同時に、それが重度のやけどを引き起こすものと即座に判断して(protective system)、瞬時に手を離すでしょう。しかし、この機能が適切に働いていない場合、“熱い”と感じずに、手をそのまま置いておき、結果的に大やけどをする可能性があるのです。

あるいは、抱擁をかわしたとき、その感触が“危険”だと、このシステムが判断することもあります。この場合、この人は、体を触れ合ってお互いの温かみを感じる、という喜びを感じる事ができない事になってしまうのです。

Tactile機能が適切に働く事は、体が感じたものを、脳で適切に理解し、適切に行動する事に繋がるのです。

(IIIに続く)
by totoatsuko | 2005-12-14 14:29 | 日々感じたこと | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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