くだらない人達の高尚な理由

当人たちの人としての未熟さや ゆがんだ心理構造のせいで発生する
どっちもどっちでしょ いいかげんにすれば? みたいな痴話げんかなんかが
最高の芸術作品に昇華されている その作品の数の多さに 感嘆させられます。
古典的な戯曲、バレエ、オペラ、歌舞伎、文楽
その どれにも 登場人物の子どもじみた人間性のせいで
相手を殺してしまうとか、心中してしまうとか、
自分だけでなく周りの人の人生をぶちこわしてしまうとか
そういう事で ストーリーが成り立ってる。
くだらなさの極めつき が故に ストーリーがよりドラマティックになる。
先日、メトロポリタンオペラで上映された マダム バタフライ を映画館で見たとき
幕間のインタヴューで 主役の男性ピンカートンを演じた歌手の言葉が心につっかえている。
「こんなにどうしようもない男にも こんなにも美しい音楽をプッチーニは作曲しているんだ」
彼らの身勝手な行動の身勝手な理由も 音楽と一体となると
甘く 切なく 悲しく 気が遠くなるほど美しく歌いあげられる。
自分の心の奥にしまってある様々な感情がアクティベートされ
こんなにも感情移入出来てしまうのだから まさに music magic だ。
よいプロダクションには 本当に感動させられます。
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