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ドメスティックバイオレンス対策への予算

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最近、また再び、日本でパートナーや親による暴行によって亡くなるケースを立て続けにききました。
自ら被害届を出していても、自らその相手とコンタクトを取ってしまうケースはよくあります。

暴行する人に、口約束や、書面に書いて暴行しないことを約束することが抑止力になる、
と考えてしまう当事者たちや、周りの人の ドメスティックバイオレンスに対する理解不足も 深刻です。

先週、オーストラリア政府は、ドメスティックバイオレンス(以下DV)撲滅のために
向こう3年間に15~16億円の予算をつけました。

このお金を、子どもたちにDVとは何か、を教育し、将来、被害者にも加害者にもならないため、
自身が、そのような状況になったら、まわりに助けを求めるべきことなのだ、と知らせるため、
そして、警察、弁護士、検察官、地元の行政でDVに関わる職員たちを教育し、
正しくケースに対応できるようにさせるため

被害者が加害者から逃れて新たな生活を始めるための生活基盤を作るための資金援助、住宅の整備
などに予算を使う、との事です。

そう、行政の人達も、警察も、弁護士も、DV の事を知らないのです。
この人達に相談したら助けてもらえる、と藁をもすある思いで行っても、
DVを増幅させるような介入をされてしまう事もあるのです。

DVの事をよく分かっていない、 という事を分かっていないから
被害者を守るための介入や助言ができないし、
加害者を野放しにしてしまって、加害者が人を傷つける行動を続けさせることで、
加害者をも自身の心の問題の被害者でありつづけさせている、と思います。

加害者には、自分たちが病気だと気づいていない人がほとんどです。
だから、治療に行こう、と思わない。


関係者の間では、オーストラリア政府の決断を大いに評価し歓迎するする声が大きい中
The Australian of the Year に選ばれ
自身の息子をドメスティックバイオレンスで失った経験を持つ 
Rosie Batty は、その額は十分でない、と言っています。

彼女は、DVのことを、 Family terrorism だと言っています。
家族内で起こる テロ だと。

国のテロ対策に使われる予算と比べたら、家庭内テロにつけられた予算は不均衡すぎる、と。

テロなんだ、と
もう、ふつうの対話でどうにかなるものではないんだと、
とても残虐で、理不尽で、病的というのを超えたスケールのものなのだと。

当事者たちや、当事者に関わる異なる専門を持つ人達が そこまで危機感を持って取り組む事ができるか?


殴る、蹴る、などの肉体的なDVは死に至らしめ、ニュースになりますが、
言葉などによる精神的DVは、肉体的に死にいたらしめるには時間がかかるので、
状況の深刻さにたいして、さらに周りの理解が進んでいません。

しかし、心は確実に殺されていっています。
精神的におかしくなっていきます。
それが、言動に繋がっていき、生きていく事が困難に感じていく事もあるし
心にたまっていく膿を、他の相手に明確、あるいは、不明確な形で投げつけ、
友人や子どもとの関係を毒していく連鎖を始めていくかも知れません。


DVはテロである。
Rosie Batty の言葉が響きました。

我慢する、とか、
約束する、とか、
改善するように頑張る、とか、
お互いが歩み寄るよう努力する、とか

そういうレベルの話ではない、ということ。


加害者の心の構造と、
被害者であり続ける人の心の構造がドラスティックに変わらないと 

一般的にはとても人当りの良い人達だったりするけど、親密な関係の相手に対して自分の心の闇をぶつけ合い、相手を破壊しようとすることでしか自分を保てない、
痛めつけられることがしょうがない事で、つらくて嫌だけど自分は罵倒されても仕方がない人間なんだ、こういう事を我慢するのが人生なんだ、

そんな思考パターンが変わらないと、その人たちの行動は変わらない。
家庭内テロは終わらない。






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by totoatsuko | 2015-10-01 13:32 | Comments(0)
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