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伝統とはなにか?

伝統とはなにか?_d0065558_361562.jpg 私が広島で、4歳から18歳まで毎週ピアノのレッスンを受けていた恩師が、広島から東京に数年前に引っ越され、今は、生徒と先生 の関係を超えたお付き合いをしています。

私をそんなに頻繁に会いながら濃い時間を過ごしながら長い期間みまもり、育て続けたのは、ピアノ教師と生徒、という関係ではありますが、家族以外では、この方だけだと思います。

どんな風にうつってたかな、幼児~思春期の私。



めっぽうコワかった先生と、音楽以外の話をしてたり、談笑しているのが、不思議なかんじです。

先生は、私が行った大学の一期生(小澤征爾氏と同期)で、
音楽がすっばらしいから、と誘われ、その一期生仲間のサロンコンサートに行きました。

プログラムに書いてある演奏家のプロフィールをみれば、
35年間N響の専属ピアニストだった方、
アメリカでヴァイオリン教鞭をとっていらっしゃる方、
少し若い世代で、チャイコフスキーコンクールで日本人で二人目に3位になった方、と

今をときめく キラキラしたメジャーで名が通っている方々ではないけれど、
玄人なら誰しもが知っている、実力派な方々。

Concert program

Gabriel Faure: SOnata for VIolin and Piano No.1 Op.13 in A major
Clude Debussy: Sonata for Celo and Piano in D minor
休憩
Mauricw Ravel: Trio for Piano, Wiolin and Cello in A minor

まったくその年齢を感じさせないオーラと、音楽性。
大曲を弾きこなす体力と精神力。
すばらしかった。

教授活動だけではなく、
あたりまえのように各地で演奏活動もする現役。


演奏会が終わったら、飲み物と軽食がでて、談笑。
演奏者が、
今日も帰ってからさらわないと(練習しないと)いけないから、飲むのはやめとくわ、
と さらりと仰る。

聴きに来ている同期たちも、なんだかオーラがある。
考えてみれば、すごい。
戦時中に生まれた方々。

モノがないあの時代に、ピアノやヴァイオリンなどをなんとか娘や息子のために手に入れ、西洋の音楽を学ばせ、世界に通用する音楽家になるために厳しい道を選ぶことを子ども達に選ばせた、当時の一般の感覚とは違う事を遂行していったこの方々のご両親、ご家庭がいかようなものであったか。。。

音楽や芸術は ぜいたく品 だ、と非難された時期もあっただろうに。

私の子ども時代ですら、音楽をつきつめていく姿勢や生活にすごく否定的な意見を言う人がいた位ですから、
いわゆる 当時の ”世間の価値観” というものから浮いてしまっても、これをやるんだ、と決めて日々を重ねていったご家庭や、そしてそのご子息たちの強さというか、覚悟というかなんというかにしびれます。

言葉では表せない、様々なストーリーがあったはず。
私の知らない あの学校の創設期の逸話や、
日本のクラッシック音楽家が世界へ通用していくようになる黎明期を
恩師から世間話の中で聞かせていただいて、勝手に自分のルーツを知っていくような気持ちがしました。

先生が、コワかったはずだ。
あの時代に、あの世界にいた方だもの。


中国古典の第一人者、田口佳史氏が論語を引用しながら、伝統 についてこう言われていたそうです。

ーーーーー
王道論は伝統重視。
人はひとりで生まれ、大きくなったのではない。
縦は祖先へ、横は社会へと広がる他人への感謝を忘れたら上手くいかない。
伝統、歴史、先人の汗と涙への感謝を忘れない。

論語に、「終わりを慎み、遠きを追えば、民の徳厚きに帰せん。」とある。
「終わりを慎み」とは両親の死を悼むこと。お墓詣りするとか。
「遠きを追えば」は多くの先人のご苦労を思い感謝すること。
すると、国民の徳はどんどん厚くなる。
反対に、何でも自分の実力と思って感謝を忘れれば協力者はいなくなる。

ーーー

小さな大学ですから、その学校設立時代の話をきくのは、
まるで、自分の母の生い立ちを聞くような感じでした。

そのおよそ60年前に出来た小さな大学の歴史の、末端の末端につながっている自分は、
ここまで 真剣に音楽の事を考え、取り組み、自分に常にチャレンジし、研鑽しつづけてきた生涯現役演奏家の先輩方々に恥じないような生き方をしないと、
と、演奏があまりにすばらしすぎたので、
そしてみなさんがカッコよすぎたので
勝手に、そして思わず、自分で自分にはっぱをかけてしまいました。

今と比べて、世界レベルで活躍していた日本人演奏家はいなかった時代に、”演奏家を育てる” という目的で音楽大学を作り、英才教育を施し、叩き上げ、弟子たちを世界へはばたたせた、否、はばたこう、という気概を持つ人たちを集めた音楽家たち=先生方のストーリーも聞くことができて、胸がいっぱいになった。

ほんとうに、音楽に対する気概がちがう・・・

一生現役って、すごいと思う。
舞台で演奏する、というのは、オフィスワークをするのと緊張度が全く違う。
その一瞬の音を作るために、ものすごい準備をする。

わが道を信じて、揺るがない、しかし、何十年も、そして今も進化しつづけていく才能と音楽性をもった先輩方へ ブラボー!
by totoatsuko | 2014-03-24 21:04 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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