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楽譜がない音楽だって沢山ある

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世界中の音楽をみわたしたら、
楽譜がなくてなりたっている音楽が沢山あることに気づきます。

むしろ、そっちの方が多いかもしれません。
ジャズも、アフリカンも、他のいろんな民族固有の音楽も、
楽譜がなくても、即興で音楽が編み出されていく。

口頭でメロディーが伝えられ、伝承されてきた音楽もあります。


私は音楽療法を学び始める時まで、自分が演奏する、プロデュースする”音” は、
楽譜を読んで、練習して、演奏するクラッシックのみでした。

私にとって音楽とは、
楽譜に書いてあるものを、いかに芸術的に質の高い演奏に自分というフィルターを通して奏でるか、というものでしかありませんでした。

その世界しか知らなかったから、
クラッシックが、世界じゅうの日常に存在している音楽のシェアに比べたら、その一部である、
ということすら気付くこともなく、他に音楽がある、表現方法がある、というのを探そうともしなかったのだと思います。


音楽療法の勉強を始めて、
あかちゃんの泣き声すら、音がない ”無音” ですら音楽であることを学び
音楽療法セッションの中では、さまざまな要素を音楽として捉え、
相手と共に 音楽を即興でつくりあげていく という ”音楽”の形をしりました。


今でも、クラッシックは大好き!
だけど、他の音楽の世界を知ることで、もっと音楽と自由で豊かな関係を築けるようになり、
それは、私の毎日を豊かにしてくれていると感じます。


子どもたちが、クラッシック ピアニストから手ほどきをうけ始めました。
3人十色。
練習の仕方、先生の言葉の受け止め方、それぞれ全く違います。

やっぱり、指の練習なんかはつまんない。
それでも、この曲が弾けるようになるために基礎練習も頑張ろう、と思えるときはいい。

でもそうじゃない、もうヤダ! っていう感じの様子を見せる子がいたので、

どうでもいいから、楽譜関係なく一緒に弾こうよ、
と誘ったら、いっこづつ音を確かめたり、鍵盤をさがしたり、偶然できた和音を感じたり、
ほんとうに集中して、でも、自分だけの音しか聞いていないのではなくて、
私の音もちゃんとききながら、自分の音楽をつくっていて、
すごいなー、と思いました。

10分か15分くらいたって、
彼が最後の一音をおいたあと、
初めて顔をあげ私の目をみたので、
お互いに対しにっこりし合い、

「長い曲だったね~。途中のあの、ぐしゃってなったとこ、面白かったね。
またやろう。」

と、彼がいう。


赤ちゃんの頃から、遊び弾きをしていて、この子は弾くことが好きなんだな、とは知っていたけれど、
楽譜を読んで弾くことを教えられるよういなってから、とんと遊び弾きをしてる姿を見てなかったことに気づきました。


楽譜読んでその曲が弾けることで、
そういうジャンルの音楽の世界も知ることで、その世界の音楽を知る事はできる。

だけど、音楽の世界には楽譜がそもそも存在しない音楽だっていっぱいあるから、
音で遊ぶ その楽しみは、ずっと大事にしてほしいな、と思う。


大人になって、やっていい事と悪い事が分かって、
仮に理性的に物事を処理できるようになる人間になったとしても、
同時に自由な創造性を持つ無邪気でいきいきとした精神は大事にできるように。
by totoatsuko | 2013-05-24 13:18 | 音楽療法セッション例 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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