南無地獄大菩薩 By 白隠
全て、墨の濃淡で書かれた人物、仏たち、戯画、文字。
墨だけで、こんなに世界が捉えられるのだ。
豪快な筆づかい。
若い頃の繊細で神経質なラインの作品から、晩年は、下書きのラインから大きく外れて完成品がつくられる。
天国も地獄も紙一重、その人の心の中でどうとでもなる。
地獄は天国、天国は地獄になりうる。
仏になるために自分とみつめあうより、
自分の中の仏を見つけるための精進せよ、と説く。
南無阿弥陀仏 ならぬ、 南無”地獄”菩薩。
大勢の人は騙せても、
分かる人には分かる、
ましてや自分を偽りきる事は出来ない。