「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も

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「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も (Webページから引用)
心のケアのため、被災地の子どもに絵を描いてもらう「アートセラピー」について、日本心理臨床学会が9日、注意を呼びかける指針をまとめた。心の不安を絵で表現することは、必ずしも心的外傷後ストレス障害(PTSD)の予防にはつながらず、かえって傷を深くする場合もあるという。
被災地では、自由に絵を描いてもらうことが心の回復につながると、個人やNPO団体などが次々に入り、活動している。大手企業が主催する例もある。
臨床心理士ら約2万3千人が所属する同学会が9日にまとめた「『心のケア』による二次被害防止ガイドライン」では「絵を描くことは、子ども自身が気づいていなかった怒りや悲しみが吹き出ることがある」と指摘。特に水彩絵の具のように、色が混ざってイメージしない色が出る画材を使う際には、意図せず、強い怒りや不安が出てしまう心配があるため、注意が必要とした。
新聞記事では金吉晴先生のコメントが載っていました。
「安心感のない場で心の傷を無防備に出すことは野外で外科手術をするようなもの。描いた絵の展示も控えるべきだ」とのことでした。
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本当に!
音楽療法と呼ぶにあたいするセッションなのだろうか?
アートセラピー、あるいは、そもそも セラピーと言えるものなのか
と思わされるセッションには出会うことがありますが。
そういう観点で、巷で行われているアート関連の企画内容を検証したり、議論されるているのはあまり見かけません。
アートは、だれにでも使う事ができる道具ですから、便利ですが、
その毒性は一般的には議論されていません。
でも、それでも 例えば高齢者施設の方が、音楽療法 というなのもとのセッションで楽しくなるなど、
少しでもいい効果がでているのなら、セッションの呼び名がセラピーや療法であろうが、なんだろうが いいのではないか、と私はおもうようになっています。
でも、本来セラピー と呼べないものが、セラピーと言われ、
セッション内容や実施団体を明確にしないまま新聞という媒体で
危険な可能性のある試みを、”アートセラピー活動” として批判されたのは残念でした。
一般的には、多くの人には、 本当のセラピーと、そうじゃないものの区別がなかなかつきにくいと思います。
セッションを受けた当事者ですら、です。
ちゃんとトレーニングをうけた人のセッションより、
ボランティアさんと絵をかく方が、歌をうたほうが楽しかった、
というコメントをする方もいらっしゃるでしょう。
そもそも セッションの目的が、いつの間にかすり替えられて質問に答えられたり、
セッションを利用されたりしていることもある印象があります。
勝手に絵を描かせて傷を表出させたままバイバイ、なんてセッションは
”アートセラピー”ではない、
という事を「臨床心理士の方が知らない」
ということも、臨床心理士協会からそのようなコメントがだされることにもつながっていると思います。
それは、私たちの啓蒙活動不足ともいえるのでしょう。
セラピスト仲間の先生の言葉は印象的でした。
「世の中で、誤った“セラピー”をする人は、後を絶たない。その間違いを一つひとつ指摘して正すことは不可能。私たちにできることはただ一つ。正しい教育を受けたセラピストとして、正しいセラピーをクライアントに施していくことだ。」
何が正しくて、何が間違っているか、ということ議論するよりも、
アートセラピーの本来の在り方、必要性をわかりやすく伝え続けていくこと、
私たちが常にオープンマインドで、常に学びつづけることが、私たちに出来ることなのだと思います。
そして、このようなテーマが新聞記事になる ということは
この分野に興味を持ってくださっている方が増えているということですから
きちんと教育を受けた人たちが、それに興味をもち自己流で取り入れている人たちの輪にいれてもらって、知識と経験を共有し、わたしたちもその方たちから学び、ともに成長していくことで、日本の人たちに貢献していけるような動きをつくれるといいな、とおもいました。
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