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カウンセリング@代々木上原・音楽療法・心理療法 GIM

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生演奏と録音音楽 II

音楽療法を学んでいるとき、
セッションにおける生演奏 と 録音音楽がもつ影響力の違い、
というのを随分と議論したり考えさせられた。

クライアントの目的、必要とするプロセスの手助けになるものなら、どちらでも構わない。
録音と生演奏の組み合わせ、という使い方だってOKだ。

ギタリストさんに構えてもらって、
覚えていたはずの踊りの振りが思い出せなくなってしまった経験を通して
学んでいた当時のことを思い出している。

録音音楽 と 生演奏の大きな違いは、
セッションという時空を超えて、演奏者も匿名性が高い状態で、過去演奏されたものが機械を通して再生させられるか、リアルタイムのセッションの場で、その場にいる人間のフィルターを通して、「その場の音楽」が奏でられるか


例えば、このあいだのフラメンコのクラスで私が私を見失って見つけ出せなかったのは
ギターさんの奏でた音楽やギターさんの思いがどこまで影響したかは確かめていないので分らないが、
少なくともギターさんとの関係、ギターさんに対する私の思いがそうさせたことは明らかだ。

まちがったり、途中で踊りが思い出せなかったら申し訳ない、という気持ち
ちゃんとやりたい、という気持ち
もしかしたら、過去の厳しい先生を投影して気持ちが硬くなっていたかもしれない


録音された音楽なら、ギターさんの存在は必要ないし、ギターさんに配慮する必要も、ましてやその場にいない録音音楽を演奏した人にも気持ちのエネルギーを分けなくていい。ボタンひとつ、停止、巻き戻し、再生。たんたんと、自分の都合いいように音楽を発生させることができる。

生演奏・ライブミュージックをセッションで使うということは、
よりお互いの情動や関係性に密接に関わる場合がおおくなる。

だから、ものすごくパワフルなことが出来る。

音楽 × 人の気持ち

で、人の心に切り込んでいったり、包みこんだり、支えたり、背中をおしたり
クライアント自身の内側から、音楽&セラピストに対して起こる情動(見栄でも、動機でも、なんだっていい)がもつエネルギーを、心にとってその人の生き方にとって「よき方向へ」つなげていける。


ただ、パワフルがゆえに、too much だったりして、生演奏よりも、録音音楽を使ったほうがいいタイミングや人の心の状態もある。そこを認識して、クライアントにとってよりよいものをその時 その時プロフェッショナルに選択していくのが私たちの役目だ。

あのフラメンコのレッスンでは、
生演奏は、私の頭の中を真っ白にしてしまった。
そういう意味では、生演奏ではなく録音を使い、もしかしたら部屋に一人にしてもらったほうが人の気持ちを気にせず自分の記憶や踊りに集中できただろう。

しかし、生演奏で踊れなかった、という体験をし、それがどうしてなのか、
と吟味する機会をえたことにより、
自分の踊りの記憶はまだまだ甘く、もっと練習を重ねなければマトモに踊れない、
という、残念な自分の姿を悲しいけれど認識することで、
でもそんなに練習する時間はないからしょうがない、という現状を受け入れる気持ちと
なんとかもう少し練習する時間をとりたい、という向上心を刺激する機会になった、
とも言える。


音楽療法は、ただなんとなく気分がよくなる、というだけでなく
はっきりとした「目的」やなんらかの状態の「変化」や「改善」などをもって行うので、
音の使い方にはセンシティブだし、意識的に選択しているのです。

人との関係性のなかで使われる音楽、というのは
心にも体にもすごく影響力がある、そう再確認した出来事でした。
by totoatsuko | 2011-03-06 10:44 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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