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ピノキオ -助言があっても気づけないshadow への道

ピノキオ -助言があっても気づけないshadow への道_d0065558_10455952.jpg私のブログ記事の中でもよく閲覧されているこの記事を改めて読み返し、少し手を加えたものを再投稿します。(オリジナルは2010年8月22日uploaded)

ピノキオのディズニーアニメDVDを最初から最後までみる。
詳細を覚えていなかったので、へぇー、と思いながら見る。


操り人形としてつくられ、ピノキオとなづけられて、おとうさん(おじいちゃんの年齢だけど)にとても大切にしてもらう。夜中に女神がきて、自分で動けるように魔法をかけてくれる、心をくれる。ちゃんと学校に行って、おとうさんのいうことをきいたら、本当の人間になれるわよ、と言って。

バッタのジミニーには「良心」を与えてくれて、ピノキオと一緒に行動するように女神はいう。

喜ぶおとうさんとピノキオとジミニー。
翌朝、さっそく、ピノキオとジミニーは学校へ向かう。
が、
君なら、スターになれるよ!お金持ちになれるよ!
とそそのかされ、ジミニー/良心が、学校に行かなきゃ!
と必死にとめるも無視。

移動式芝居小屋で芝居をすると、拍手喝采、チップもいっぱい。
じゃ、かえります、と芝居小屋の主にいうと、
ピノキオを使ってもっと稼ぎたいので、鳥小屋にピノキオを閉じ込める。
ジミニーがどんなに必死に鍵をこわそうとしてもダメ。
二人が泣いていると、
女神が現れ、今日 どういうことがあったか質問する。

ピノキオは、うそをついて、
芝居小屋には無理やりつれてこられた、
と、自分の選択に責任をもたず、人のせいにする。
嘘をかさねるたびに、鼻がのび、にっちもさっちもいかなくなる。

嘘をつきました、ごめんなさい、
と誤ると、女神が一度だけ許してあげましょう、と鼻を元通りにしてくれる。

しかし、次は、学校に行きたくない子供をあつめて
ひたすら遊ばせて、タバコすわせて、お酒のませてくれる、
やりたい放題させてくれる世界に誘惑されて入り浸ってしまう。

良心の象徴であるジミニーがどんなに
ここに居続けてはダメだ ダメな人間になってしまう
と言っても 耳にはいっていない。

そこは、最終的には、子供たちは知らないうちにロバになって、
人間の言葉もしゃべられなくなって、
人間とマトモにコミュニケーションできない立派なロバになると、
ロバとして売り飛ばす、というビジネスモデル。

前回の失敗から何も学んでいないピノキオ。。。

もうすでに酒によっぱらって 自分が存在していない先輩から色んな遊びを教えてもらい
堕落の一途。

隔離された場で、子供たちがどんどんロバになっていき、売り飛ばされていく場をうっかり覗き見してびっくりしたジミニーが、必死の思いでピノキオにこの場から脱出することを説得しても、目で見た真実を話しても、

「オレの親友はコイツ(先輩 堕落者)だ。お前(ジミニー)の言ってることはたわごとだ」 
と全く聞き耳をもたない。


と、そのうち堕落が満期になり、心身ともに染まりきったところで「にわか親友」が、目の前で、耳がはえ、尻尾が生え、みるみるロバになる。ピノキオは、はっ と目がさめる。 ジミニーが言っていたことは本当だったんだ! でも、時すでに遅し。 自分にも耳と尻尾が生えてきた。


ジミニー(良心)の手引きで、命からがら 「なんでも出来る楽しい街」 を脱出し、
おとうさんの家に向かう。
しかし、お父さんはいない。家にも、くもの巣がかかっている。

絶望していると、鳥が手紙を届けてくれる。
おとうさんは、帰ってこないピノキオを探しに出かけ、海にまで行きました。
ところが、巨大くじらにのみこまれてしまい、今 そのお腹の中に閉じ込められている、と。


ピノキオは祈る気持ちで海底へおとうさんを助けに行く。
なかなか見つからない。。
海の生き物に、「くじらの居場所知っている?」ときこうものなら、
みな恐れおののき、逃げていく。

孤独なみちのり。


そこへ、マグロの大群を感じたくじらが目をさまし、
ぐぁぁぁぁ、とおおぐちをあけると、ピノキオも吸い込まれていき、おとうさんと再会する。
抱き合って喜ぶ二人。
脱出しよう! とピノキオがいうと、
クジラが口をあけるのは、魚を吸い込むときだけだから、
その流れに逆流して外にでるのは不可能だ、
という。

それなら、とくじらのお腹で焚き火をし、クジラにくしゃみをさせる、というアイデアをピノキオが提案し、脱出に成功する。気がついたら、みな浜にうちあげられており、まだ気を失ったままのピノキオはおとうさんに家に連れて帰られてベッドに寝かされる。

おとうさんは、ピノキオが死んだと思って泣いているのだけど、
ピノキオはめざめ、しかも ほんとうの人間になっていた。

おとうさんを必死で助けようと、
shadowの象徴であるくじらのお腹へ入り込み、立ち向かい、自分の弱いところと向かいあい、克服した?ということで、
「操り人形」から、
「主体性のある心をもった人間に生まれ変わる」 ことができた。


いやはや、すごいストーリーだと思った。
Joseph Campbell の Hero's Journey そのものが当てはまる。
主人公が、今いる場を離れてアドベンチャーに出る。
女神に与えてもらった人間としての命は、人に与えられたものであって
彼が自分で育み勝ち取ったものではない。
だから、その命の重みやありがたさを彼は実感していない。

闇の世界の誘惑に負け、我を失い、女神に与えてもらったもののほとんど全てを失ったところから出直す。

それは とてもつらい経験だけど、でも、そういうチャンスを与えられたこと、そのチャンスを受け止める事ができたピノキオは、命の重みや有難さ・自分自身の価値を 自分自身の経験に基づいて真に気づいていき心がより幸福で穏やかな状態を見つけていく事ができて ラッキーだったんじゃないかと思う。


自分のシャドウのようなものと立ち向かう体験
(スターウォーズなら、ダースベーダーとの対決)
自分の弱さや、恐怖とちゃんと向かい合い、よりよく知ることで、
自分の弱さに、気づかないうちにコントロールされる自分 を解放し、
真に生きたい生き方を手に入れていくことが可能となる。


芝居小屋でスターになって、ちやほやされて、お金沢山もらって舞い上がる
子供の国でやりたいほうだいやって、マトモな本来の自分の暮らしを忘れる、

いずれも、自分自身の良心の象徴・ジミニーが、
まずいよ、まずよ、尋常じゃないよ、と必死に止めてくれるのだけど、
その渦中にいる自分は、楽しくて、のめりこんでいて、
しかも、自分のやっていることは正しい、って信じ込んでるし、
悪の友達は、それを強力にサポート・増長してくれるから、
ぜんっぜん助言が耳に入らない。

自分の良心 なのに 自分で自分の良心を拒絶する。
他者のアドバイスだけにすがる。

自分で自分を認める事ができなかったら
コロコロ変わる 最終的には自分の人生に責任をとってくれるわけでもない他者の声にすがるしかない。


自分が気づくしか、自分が救われる道、
まっとうな道へもどり、誘惑されず生きていくすべはないのに
それが分からない。

人が 自分を幸せにしてくれる と信じたくなるのは
自分が 自分で自分の幸せを感じる 作っていく という感覚がよく分からないからなのか。

バレエ・白鳥の湖でも、
王子様は、捉えられた白鳥のお姫様が離れたところから必死に訴えかけているのに、
黒鳥の誘惑にのってしまい、
黒鳥が白鳥だと信じて、ずんずん黒の世界へいく。
舞台は黒一色になる。
 
だけど、これまたスンデのところで、王子様は気づく、
自分が信じてついていったものは、本当の白鳥ではない、というのを。


ピノキオのアドベンチャーが 私たちに示唆してくれるものは とても深かった。
童話や 神話 で象徴的に語られている人間心理のパターンは とても豊かだと思う。




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by totoatsuko | 2015-12-11 10:47 | Comments(0)
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