鬱の底を蹴って 2
それで、それはもう相当おちて、どうしようもなくなっているとき、
ねずみを地雷探知機として使う、というアイデアを思いついた。
ねずみは体重が軽いから地雷の上を歩いても地雷は爆発せず、
地雷があるところをくんくんかぎまわってくれるので、地雷の場所を特定できる、
というものなのだ。
なんてクリエーティブな発想!
タンザニアとケニアの国境には、沢山の地雷が埋め込まれていて、
今は、その地で活用されているが、今後はタンザニア以外の地でも広めたい、
と抱負を語っていた。
建築家と、地雷除去作業なんてかけはなれているけれど
鬱という、もう全てを飲み込む、建築家とかなんとか、現世のアイデンティティーや欲なんてどうでもよくなってしまう鬱のどん底の鬱を通過することによって、建築家としては決して思いつかなかったような社会とのかかわり方、貢献の仕方を見出している。