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パソナで生きる

昨年の夏、サマーウォーズ という日本のアニメ映画を見た。
ここ一週間で、サロゲート(surrogate)、とアバター(Avatar)、という映画を見た。

1つ目は面白いよ、と進められて。2つ目は飛行機でやってたからなんとなく、3つ目は映画史上最高売り上げを達した映画タイタニックの監督・ジェームス キャメロンが、3Dで撮った映画で、現在自分で自分の収益記録を塗り替えている今アメリカで話題の映画だから。

偶然だったのだけど、全てに共通しているのは、自分が、仮の姿(肉体)で世界を生きている、という点だ。
それくらい、アバター、という概念が浸透しているのを反映しているのだろう。

サマーウォーズは、インターネットの世界に生きる世界中のアバター達。その中の一人が凶暴化し、アバターの生きる世界を破壊し、それは現実の世界の破壊に直結していく。

サロゲート(訳すと、代行人?)は、自分のサロゲートが車にはねられてぐちゃぐちゃになっても自分は全く傷を負わない。人々は世の中を危険なので、家でマシーンに横になってアイマスクのような装置をつけると、別の肉体が代わりに街にでて仕事をしたり買い物をしたりスポーツをしたりする。その容姿やスペックはお金をつめばどうとでもなって、50歳でも10歳のような容姿でいられることも出来る。サロゲートが、例えばやけどしても、自分の肉体は傷つかない。耐えられないシチュエーションになれば、即座にマシーンを頭から外せばすぐに逃避できる。

映画・アバターも、サロゲートと似ているが、自分のアバターが撃たれると自分の肉体も傷つく、という点で違う。ただ、危ない!と思ったとき、さっとマシーンから離れればアバターの肉体から抜けることが出来る。

いずれも、ネットの世界でハンドルネームやアバターを通じてコミュニケーションが増々活発になっている流れをくんだ映画たちだと思った。ただ、どんなにアバターによって演じたい自分、理想の自分を生きていてもそのギャップは決して埋められない。

ネットの世界では、現実の世界よりももっと簡単にパソナ(仮面)をつけたり外したりできるし、もっと色んなパソナを演じる、楽しむことも出来る。現実の世界では、否が応でも演じさせられる役割があり、それは時にものすごいストレスになるから、ネットの世界でそういう風に自由に出来るのって楽しい。

でも、忘れないで。
パソナはパソナ。アバターはアバター。
自分は自分。
仮面をつけることで現実逃避はできても、生身の自分の心の痛みは決して癒されない、希望は満たされない。 自分があってのアバターだから、自分の生身、大事にして欲しい。生身の心の声もきいてあげて、生身の自分と向かい合い対話することも忘れないで。
by totoatsuko | 2010-01-30 10:40 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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