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アイローズ展

先日歩いていると、ワタリウム美術館前。アイローズ展、今日まで追加延長、とあったので、アイローズが誰か全く知らないまま、ポスターに書かれていた精神疾患者の絵、とかなんとかいうのがひっかかって入ってみた。

彼女は31歳で統合失調症と診断され、そのご亡くなるまで40数年間施設で過ごす。
ゴミ箱にすてられている紙くずをひろって書いたりしていたが、ある医師と美術家にみいだされ、彼女の作品は世に知られていく。

彼女の作品のほとんどの人物の目は顔の半分を占め、水色で塗りつぶされている。
ほんとに、どの作品もそうなのだ。

それで、医師が彼女にどうして目が大きな水色なのか尋ねたら、水色にぼやかすことで周りの世界をみなくてすむから、とアイローズは答えたそうだ。 ならば目をとじればいいのだが、そうではなくて、あえて大きな目であるところが逆説的だが、彼女の心理を代弁しているのだろう。

まわりのことが、めんどくさくなったとき、理解できなくないとき、疲れているとき、自分の世界に閉じこもりたくなったとき、、、周りには目を開いているようにみせかけて、本当は自分の目にシールドをかけてほとんど見えなくする。 そうやって自分を守る。そうやって壊れそうになっている、壊されそうになっている大事な自分と自分の世界を支える。

興味深いのは、晩年、彼女の絵に高値がつき始め、施設を所有する州の意向で、彼女にもっと作品を量産させようと、専属の作業療法士をつけたところ、彼女の絵に生気がなくなり、数ヵ月後に老衰で亡くなったということだ。この作業療法士、アイローズに、絵に日付をつけたら?とかタイトルをつけたら? というinterventionをしたみたいなのですが、、、作業療法士として訓練された人ではなく、訓練されたアートセラピストであったなら、彼女の命や作品はまったく違う道をたどったかもしれない、と思った。
by totoatsuko | 2009-09-03 17:47 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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