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声を荒げる裁判官

自分の中学生の娘を売春させて、その報酬は自分のために使っていた母親の公判で、裁判官が 「少女がどんな気持ちでいたと思うのか。その言葉を聞いて、少女が新しい一歩を踏み出せると思うのか」 と声を荒げた、という報道。

裁判員制度が来年から始まり、一般人への召集レターが届き始めていますが、
裁判官って、判決を読み上げるだけではなく、被告に対して声を荒げたり、教育的?な指導の役割もとるのでしょうか。この世界に詳しくない私には、この報道・ちょっと驚きでした。

裁判官が公の場でこの母親を叱咤したからって、母親が、自責の念を一時的に強めることは仮にあるとしても、生まれ変わるるきっかけになるとは、思えない。そもそも、大の大人が人前で叱咤されるなんて、結構屈辱的な体験で、母親の人格を尊重しているとは思えない。

司法の世界では、犯罪を引き起こす「半必然的な心理状態」についての知識や理解がまだまだ進んでいないのだと感じました。

叱ったからって、その人が変わるわけない。

この母親自身、少女時代に自分の母親から売春をさせられていた経験をもつ。
この人が生まれ変わるのに必要なのは、
裁判官からの叱咤でも、懲役5年10万円の罰金では決してなく、
専門家による、心が自分自身が生まれ変わる・過去の慣習や思い込みからの脱皮に必要なプロセスだと思うのですが。

そして、売春をさせられた少女の心のケアについて本格的には何も準備されていない(さすが日本!)、というのも気になります。自分に売春をさせた母親が有罪になったからといって、彼女の心は決して癒えないのに。
by totoatsuko | 2008-12-05 10:10 | Comments(2)
Commented by こよひ at 2008-12-06 01:57 x
陪審制ではなく、裁判員制度です。
Commented by totoatsuko at 2008-12-07 20:27
↑訂正しました。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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