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アガリ症を音楽心理療法で解消

アガリ症を音楽心理療法で解消_d0065558_9392713.jpgピアノを専攻していたころ、私はすーーごく緊張した。4歳からピアノを習いはじめて、毎年一回は2日間に渡る合同発表会があったのだけど、おそらく初めて緊張したのは小学校4年生の発表会だったと思う。それ以降ずっと続いた。人前で演奏するのは大嫌いだった。

心臓がすっごくドキドキしたり、何も考えられなくなったり、
自分が弾いている音に集中したら次の音が分からなくなりそうで、楽しかったことを思い出して自分の音から意識をdetouchさせ、指の記憶で演奏を乗り切ろうとしたり。皮肉なものだ・日々何時間もいかに繊細な音の揺れを思うように紡ぎだすかを練習しているのに、本番は緊張のあまり「ミスタッチ」をしない、というごくごく当たり前で初歩的な問題を避けるために、苦労して探し出してきた自分の「音」に無頓着にならざるおえない、なんて・・・

話を元に戻して、、、
音楽心理療法では、アガってしまう癖を解消することも起こる。
アーティストやスポーツ選手とのセッションケーススタディーは、音楽療法の洋書でも紹介されている。何もプロだけではない。日常行なうプレゼンテーションが恐怖、という人もよくいる。
アガッてしまうと、もう頭で色々理屈を唱えても
ex. 「誰も自分をそんなに批判的に見てないよ」「十分準備したじゃないか」
なかなかその心と体の緊張状態をコントロールしにくい。

自己啓発本系で、色々how to (主に’頭で’どうコントロールするか、という方法の紹介)が書かれているけど、恩恵に預かれていない人も多いはず。

では、音楽心理療法を通してでは例えばどんなプロセスによって、その緊張してしまうパターンに変化をもたらすことが出来るのか?

それは、とてもとても不思議なのだけど・・・
例えば、舞台に立っているときの自分や周りの空気や感触をGIMセッションでイメージしてみる。音楽を変遷意識状態でききながら展開するイメージ - 例えば、自分は小さな硬い欠片で、周りの空気はエネルギーはないけれど自分にはすごい圧力があるものに感じる。小さな破片はもっともっと硬くなり、萎縮する。その萎縮する感覚を感じるし、客観的に全体像を見ている自分も存在する。

あるいは、自分が緊張している状態に意識をフォーカスして、セラピストと打楽器やピアノをつかって即興してみる。自分の緊張を体で感じながらそれを音に落とす作業。そして、その音を聞き返す。するとその音を通して、緊張状態の自分の心と体のダイナミックスに色んな発見がある。すーーーごく自信なさげだったり、びくびくしていたり、セラピストの音(例えば、クライアントはオーディエンスをセラピストの音にプロジェクト・投影する)にどの様に自分の音が影響されているか、あるいは自分の過去の経験からオーディエンス・あるいは発表する、ということに、何をどんなプレッシャーを投影しているのか気付く。

あるいは、上記の緊張状態・その前後の状態をイメージや音に落とす作業を、色に落とす(クレヨンで紙に描く)、という方法をとることもある。


いずれの方法も、どうしたら緊張しなくなるか、という答えやhow to は導き出さない。

なのに、あがってしまう自分が消えていく。
あがってしまう自分を見つめることによって、あがらなくなるのだ。
凄く不思議なのだけど。。。

あがってしまう自分をみつめるなんて、本番を振り返るプロセスで散々やってる、と思うかもしれない。でも、それは「頭」でやっていることで、音楽心理療法をとおしての見つめ方は、それとはまったく違う視点・意識の層で行なわれる。自分をアンコントローラブルな状態にしてしまう無意識の何かに、直接入っていってその状況を捉えるのだ。

私も、音楽学生時代にこういうのに出会っていたら、コンクールとか発表会でもうちょっとマシなアウトプットが出来たんじゃないかなぁ・・・思ってしまいます。
by totoatsuko | 2008-09-26 09:38 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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