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解き放つ III

解き放つ III_d0065558_204192.jpgしかし、ここ10年、終身雇用制度が崩れ、高齢化によって税制、福祉制度、生活スタイルの変化を余儀なくされた日本人。あてにできていた、あるいは保障してくれた学歴、会社、親が、今までのように機能しなくなってきた。今までの価値観では計れない、新しい概念が波の様に覆い続ける。

属するべき信頼できる集合体(社会、家族、親)が消えつつある。

グループの一部になることによって、グループの成功を導き、その結果を自分のもののように喜べるような予測可能な文化ではなくなってきた。会社や学校がつぶれたり、中途社員に追い抜かれたり、法律が劇的に変わったり、妻・夫に逃げられたり、子供がぐれたり、親を殺傷してしまったり。何の保障もないのに、いままでなら社会が示してくれた、明確な正しい生き方や価値観の指針なくして、自分の人生を自分の価値観によって生きていかなくてはならない。

キレやすくなったり、不安を常にかかえていたり、生きる気力をうしなってしまうのも当然だ。
頼るものがないのだから。
ありのままの自分を信じること、自分で価値観を生み出せる事を信じられないのだから。
翼をもっていても飛べない鳥を、いきなり空に放ってしまうのと同じことだ。

解き放たれる、には未熟すぎる個が、まだまだ日本には沢山いると感じる。
集団に寄りかからなくても立っていられる芯の部分が、心に育っていない気がする。
解き放たれるべき原石は、すべての人に眠っているのだけれど。

もし、それらが解き放たれ、羽ばたくときがくるのなら、
願わくば、欧米の真似事のような個人主義を形だけ作るのではなく (たとえば‘個を生かす教育‘改革と言って現場では生徒の首を絞めているような矛盾を起こすのではなく)、
解き放たれた個が、和を重んじる日本文化を生かす形で羽ばたいていって欲しいものだと思う。
by totoatsuko | 2006-07-26 20:41 | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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