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日本カウンセリング事情 1

日本カウンセリング事情 1_d0065558_2242407.jpg少しまえ、ボストンで活躍される日本人のカウンセラーの方から日本のカウンセリング事情についてお話をうかがいました。

ちょっとがっかり。

ひとつは、まだ臨床心理士の地位や資格が確立されていないから、精神科医など医師が開業するクリニックで雇われて働く場合が多い。

雑誌で紹介されたあるクリニックは、すぐ予約で満員になる傾向があるけれど、
例えばある人気クリニックは、医院長さんがすべての最初のセッションをクライアントとやって、2回目以降、従業員のカウンセラーに振り分ける。1セッション30分。これって、いびつな三角関係。さらに、この医院長先生、守秘義務についてはっきりした自覚を持っていなくて、他人に、しかも漏らしてはいけない相手に、言ってしまうこともあるらしい。人気クリニックで起こっていることゆえ、おそろしい。こんなんじゃ、クライアントは安心して自分の心を開けない。

しかも、30分って短いような気がする。
一週間の心の出来事などを聞いてもらうだけで、すぐ30分なんてたってしまう。
まぁ、話をきいてもらうだけでも意味があると思うけど、カウンセリング・セラピーはもっともっと深いことが出来るのに、と思ってしまう。


二つ目は、最近心のケアのニーズが高まっているので(自殺とか、殺人とか、心身症とか)厚生省がカウンセラーの資格の制度を国会で成立させようとしたけれど、そのシステムが「医者の元で働く」というものだったので、臨床心理士たちが絶対的に反対して、流れたらしいこと。

私は、この法案、流れてよかったと思っている。カウンセラーの独立性が認められず、医師の手下としてクライアントと接することは、先にも言ったけど、守秘義務の問題にかかわってくるし、クライアントとの関係もいびつになってくる。

(似たような点としては、音楽療法士の国家資格化の大きな流れもあるけれど、私は、今それが起こらない方がよいと思っている。何故なら、日本音楽療法協会認定 音楽療法士と名がついている人達のクオリティーが安定していないし、スーパービジョンシステムもうまく機能していないようだから。)


3つ目は、スクールカウンセラーになっている人は、心理系の大学院で就職先がない人もいく職場らしいこと。(すべてのスクールカウンセラーの方について言っているのではないので、悪しからず)


4つ目は、多くのカウンセラーが、自分がカウンセリングを受けた経験がない。これって、かなり深刻。自分を知るプロセスをやったことがなくて、何故ひとのそのプロセスをサポートできると言えるのか?

5つ目は、スパービジョンを出来るひとが、あまりいない。しかし、どんな優秀なカウンセラー・セラピストでも、独りよがりでは決していい仕事は出来ないので、これも結構深刻な点だ。
by totoatsuko | 2006-05-20 22:47 | 日々感じたこと | Comments(0)
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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