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tomさんの非公開コメントを読んで・塔を組みなおす作業

そうですね、「虐待」って言葉がカバーする関係って、ほんとうに千差万別。
そして、その心の構造って、長い間色んな要因で培ってきて出来たものだから、
その構造を変えようとするのは、本当に大変な作業。


生まれたときの状況とか、家庭環境とか、文化とか、そのコミュニティーや出会った人の価値観とか、
本当にさまざまなものに無意識に影響されながら、私たちは自分が生まれ持った要素を化学反応させたり、表面にペンキを塗ったり、剥いだりしながら、自分の状態がつくられていく。

そこで、結果的に相手に対して虐待的な関係を相手が変わっても、変わらなくても、
相手をひどく傷つけることを繰り返してしまう
相手の体を心を瀕死の状態においやっておいて、
ごめんね ごめんね ごめんね 本当に愛しているんだ、大事なんだ、ほんとうに反省してる
そして、同じことが繰してしまう、心の構造がつくられていく。

相手の心を殺す、相手の心が死んでしまっても、
それは、なかなか視覚的にはみえないけれど、

例えば、誰もが目で捉えることが出来る、相手の肉体の死を持ってしても
自分の心の構造が病的だと思わないし、
たまたま運が悪かった、
ついやりすぎてしまった、
という感じで号泣 & 猛反省だったりする。

今までの日本は、
それは心の専門家のところに行くべきことに相当する状態だ、と言ってあげる人もいなかったし
そういう人の心の構造を根本から変えるサポートが出来る専門家も少なかったし、
そういう専門家のところに行く、ということ自体、人の目を気にしたりして行き難いと思っている人は多い。

そして、又他の相手と虐待関係は再現されるし、
自分がその虐待関係の中でどんなに嫌な思いをしていても、
子供やパートナーにも、再現してしまう。

でも、でも、でも、ほんとうに気づかない、本人は。
相手にどういうことをやっているのか。
そして、やっぱりこれもすごいことなんだけど、
ほんとうに虐待のメカニズムは巧妙だから、
虐待されてる人も、辛い、と思いながらも時折示される相手の愛情を信じて
これは虐待・病的なものではない、と自分を言い聞かせてしまうんですよね。

やっぱり、自分が大事だと思っているひとには、愛されたいもの、愛したいもの。
どんなに嫌な思いをさせられても、
やっぱり、「愛しているんだ」と伝えられれば、それを信じてしまう、信じたくなってしまうもの。

今日たまたま人と何気なく喋っているときに出て来た例えが、
虐待の心の構造は、決して一人では変えられない。
それは、例えるなら、ブロックを何千万と積み重ねてきた塔。
それは、何かの拍子に内側で崩れたり、爆発したり、バランスを崩しそうになったりするので、
もっと安定したものに変えたいと思う。
でも、自分ひとりで出来ること、というのは、どんなに努力しても、表面をいじったり、上のほうをいじったりすることしか出来ない。

土台から組みなおそう、根本的なところの内部もみてみよう、という試みを一人でするとなると、
いったん自分が崩壊するしかない。
life changing eventなどは、そういう役割をしてくれるわけだ。

でも、自分が日々の生活をまわしながら、土台から変えていくには、
専門家に塔が崩れないように、どこかで支えてもらいながら、あるいは支柱の一部になってもらいながら、
とても注意深く土台のあたりを解体して何がそこにあって、それぞれの要素がどういう働きを持って、それぞれがどのように関係していて、どういう力学を生んでいたのか・例えるならそういう作業をして、そして、もう一回、自分の手で組み上げる作業。

子供のときは、無意識に、そしてほんとうにスポンジのように受身で組み上げた自分を、もう一回、自分の持っている素材と、新しい素材を使いながら、成長した自分自身でひとつひとつ組み上げていく作業。

それは、とても大変だけど、、、、でも、そこまでしないと、虐待の、いやそれだけではない心の構造って、変わらない、
ものすごいものだと思っています。
by totoatsuko | 2010-06-29 17:59 | Comments(1)
Commented at 2010-07-03 00:10 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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音楽療法士(GIM)のつれづれ


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